ロシアがアサド政権を支援するためにシリアに対する介入。これはアサドの独裁政権でもいいから移民問題で困ったEU(欧米)がロシアの軍事行動を黙認し、その見返りに欧米は原油相場の価格上昇を誘導。それを察知した中国が原油の爆買いを行っているのではないか? という妄想記事です。
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シリアが長期不安定でヨーロッパへの難民が大量発生している。難民を移民として受け入れようということで解決できるような規模を遥かに超えている。
英国のEU離脱論も街頭での支持率が50%を超えたといわれており、これは難民受け入れに対しての英国民の反対が有るためだと言われている。
当然これは英国だけの現象ではなくて、EUから離脱しようという声はシリア情勢が不安定なままであるかぎり、高まっていくだろう。
さてEUが弱体化したら、世界にとって悪いことしか思いつかない。EUの主要国はシリア安定化に積極性を見せる必要があるんじゃなかろうか。
普通ならここで軍事介入という手段を取りうるが、EUが介入するとしたら反アサド勢力だが、これらの勢力は純粋な民主主義を目指す勢力ばかりでなく、イスラム国系の危険な思想を持っている勢力も少なくなく、アサド政権が崩壊したとしてもシリアの不安定な状態は一層長引きかねない。
で、ロシアにとっても子分のアサド政権が崩壊するのは面白く無いので、アサド政権を支援をずっと続けてきた。
ドイツへはシリア難民が2日で2万人も来ている。そして現時点でシリア難民に対して1兆3000億もの支出が発生している。
おそらくこのままでは移民に寛容なメルケルの支持率は下がる。
場合によってはドイツでさえ極右政党が躍進するかもしれない。当然、ドイツほどのタブーがないその他EU各国では、排外主義的な右派政権が躍進する可能性が高いが、こうなるとギリシャもまた頭の悪い政党が政権取りかねない。
ギリシャみたいな元々政治的に不安定な国で次に選挙をすれば、政権運営能力がほぼ無いような政党が与党となりかねない。
今度は移民問題まで後押しとなってEU離脱論が加速する。そうすればユーロの通貨危機はより深刻な規模で再来する危険性も有るのではないか。
それらの国が行うのは難民の無視し、実質的な国外退去、そしてEU離脱をちらつかせることになる。
そうなれば結局ドイツのような難民に寛容な国に難民が今以上に殺到しかねない。
また選挙のようなしっかりした政治イベントの他にも、極端な勢力の動きが活発化されるはず。右派の排外テロも起きるだろうし、それに刺激されて移民や移民二世、による反キリスト教的なテロリストが出現してきたりするのでは?
となると欧州や欧州向け関連経済は結構危険なことに…セキュリティ関連はひょっとしたら伸びるかも知れないが、それ以外のほとんどの株にとって下げ要因になりそうだ。
となるとEUの主要国は難民の発生源であるシリア内戦を何とか沈静化させる必要がある。
このタイミングでロシアがシリアに対しての軍事介入を開始した。(ウクライナの時のような正体不明として、実質ロシア軍を送るような手法のようだ。)
ここからはただの私個人の妄想だ。
EUは表立ってアサド政権を支援する訳にはいかないが、実はこのタイミングでのロシアのアサド政権を支援するための軍事介入は、欧米の主要国の黙認が有るのではないだろうか。EU側としては、独裁政権で歓迎は出来ないけど、背に腹は変えられずアサド政権でもなんでもいいから全土を掌握して沈静化してくれと思っている可能性がある。
EUないしその主要国が、アサド政権を倒して全土掌握できるような強力な軍事介入を行って、民主的な国家に変え、かつイスラム国を支持するような世論を一掃して安定化させる…おそらく本当に皆が幸せになるだろうこのシナリオは、コストと期間の問題で出来ない。
欧米は、ロシアのシリアに対する軍事介入を黙認して、かつロシアにとって何らかのプラスとなる密約もあるのではないだろうか。
もしそうならなければ、EUは冒頭の悪い予想のとおりに極端に不安定化し弱体化し、場合によっては分裂する。そうなれば、冷戦崩壊後に旧東側国までどんどん加盟国を増やしてきたEUとNATOの伸長は停滞し、NATO加盟を検討しつつ未だNATOに加盟できていない旧東側諸国はウクライナのようにロシアが攻めてくる。
とりあえずは、ウクライナ西部とモルドバに対してロシアが侵攻し傀儡化、冷戦期のように食糧の安全保障を完成させるだろう。
そういった将来的なリスクを考えると、ロシアがアサド政権を介入する見返りに、ウクライナ東部への介入は今後あまり表立って問題視しなくなり、かつロシア経済にプラスになるような、たとえば原油価格が上昇するイベントが発生するのではなかろうか。
(ロシアの輸出品は石油・天然ガス、その他地下資源に大変偏っている。またロシアの原油採掘コストは中東などに比べて非常に高いため、原油価格が下がると輸出の利益が下がるのは当然として、しまいには採掘コストが赤字に突入する。)
当然原油の国際価格に影響を与えるのは米英とそしてオランダだ。さらに米英がサウジはじめOPECなどに何らかの圧力をかけて、原油減産を行い、価格の上昇を誘導したりとか。
ものすごくひょっとすると、そういった事情を知っているからこそ、中国が馬鹿みたいに原油の爆買いを続けているんじゃなかろうか。
(近代国家は有事や供給ルートの不安定化に備えて、食料や原油や貴金属その他の希少金属そして原油を戦略的に備蓄している。中国の備蓄量は他国に比して今まで少なかった。原油の場合は日米は150日ぶん、ドイツが100日ぶん、中国は近年までわずか30日ぶんに過ぎなかった。これを中国は2020年までに90日ぶんの備蓄をしたいという。)
そういった中長期目標が有るとはいえ、底値が見えないと言われている原油価格相場にも関わらず、このタイミングで中国が大量買付けするのは、これ以上原油価格が下がると採掘コストが赤字に突入する所も出るので、供給者が自然に減るというものではなく、シリアをめぐる密約を知って確信的に行っているのでは…
以上冬山の妄想でした。