第２日目俺は前だけを見ていた。決して後ろは振り返らない。この盆明けから、そう決めたんだ。決して後ろを振り向くまい。俺は今までの人生の中で、後ろを振り向き過ぎていた。だからもう決して振り向かない。「そうだよな、お前ら」俺は後ろから着いて来てるであろう仲間に声をかけた。決して振り向くことなく、それでも十分に聞こえる大声で言った。ただ、いくら待っても返事はない。俺はもう一度・・先ほどよりは、かなりの大声を出した。「そうだよな、お前ら！」・・・・・・・・・・返事がない。一体どうしたのだろう？後ろは振り向かない、と言ったそばから振り向くワケには行かない。しかし、ここは振り向かなければ・・・俺は覚悟を決めもう一度言った。「俺は今まで後ろを振り向き過ぎていた」「だからこれからは前だけを見て歩き続けるぞ」「いいだろ？な、そう思うだろお前らも？」そしてゆっくり振り向いた・・・そこには・・・そこにいるはずの俺の仲間は・・・誰もいなかった。誰一人、ついて来ていなかった。振り向けば年初来安値がそこにいた。
