森元首相 とぼけてないで、払えよ お国のため
新国立競技場 責任を押しつけあう政治家に現場も翻弄(ほんろう)
フジテレビ系(FNN) 7月22日(水)18時44分配信
幻となった新国立競技場。すでに、大量のお金が投入されている。ザハ・ハディド氏の事務所には、14億7,000万円。そして、設計事務所には、およそ36億5,000万円。さらに、建設会社には、およそ7億9,000万円。その合計金額は、59億円にものぼるという。また、この大半が、戻らない可能性もある。責任を押しつけあう政治家たちに、現場の人たちも翻弄(ほんろう)されている。
22日も不満を爆発させた、オリンピック組織委員会会長の森元首相。
森元首相は、「新国立競技場の問題については、大変迷惑している。組織委員会が、こうしてくれ、ああしてくれと言ったわけでもなくて、造るのは国が造る、そして都が協力する」と述べた。
そして、森元首相は「(当初の)完成時の2019年というのは、ワールドカップのラグビーが日本で行われる、そういう年でもあった。そのことで、国立競技場を使うかどうかという話を、国会議員の先生方と相談してる時に、後ろからオリンピックやるぞとなって、じゃあオリンピックやるなら、ラグビーも間に合わせれば、入れてやると」、「はじめから、ラグビーなんて誘ってくれなきゃよかったなと」、「今、国立競技場は、2,520億(円)が高いと、皆さん、おっしゃるんだけど、ボートのコースは1,000億円。わたしから見ると、そういうお金には、何も言わないで」などと述べた。
21日に出席した会合では、途中退席する際に、自らのもとを訪ね、何度も頭を下げた下村文科相に対し、首をかしげ、不満をあらわにした森元首相。
森元首相は、「呼びかけた下村大臣が、直ちに退出するというのは、極めて非礼だと」と述べた。
オールジャパンでの取り組みが求められる中、漂う不協和音。
会見では、ラグビーに例え、指摘した。
森元首相は「(文科省が)持ちすぎて、どこに渡していいか、わからなかった。それでタックルされて、グシャグシャッとなった」と述べた。
一方、閣僚会議の議長を務める遠藤オリンピック担当相は、22日朝、舛添都知事に計画見直しの経緯を説明し、笑顔でがっちり握手。
ところが、その5時間後、出席したイベントで、人型ロボット「アシモ」を前に、話がお金のことに及ぶと、遠藤オリンピック担当相は、「舛添都知事から『金に糸目をつけないから出す』と、言ってくれるかもしれませんが...」と述べていた。
建設計画が白紙に戻されたものの、デザインや設計などでの契約金は、およそ59億円。
その大半は、戻らない可能性がある。
国交省キャリアは「3年間頑張ってきた文科省の担当者は泣いていたよ。肩をがっくり落としてね。これまでの3年間、なんだったんだよって」と語った。
寝耳に水の事態に、混乱する現場。
今回の建設計画の見直しは、文科省の担当者にも知らされず、首相周辺で、極秘裏に検討されたもの。
ドタバタ劇の裏には、現場職員たちの本音が渦巻いていた。
文科省職員は、「忙しくて、息つく暇もない。とにかく間に合わせるために、精いっぱい」と話している。
また、都庁職員は「混乱に巻き込まれて5kgやせた幹部がいる」と話した。
オリンピック組織委員会職員は、「ぶれた下村、かっこつけた舛添、ミスリードしたオリンピックパラリンピック局。招致から携わった者にとっては、本当に切ないかぎり」と話している。
さらに、工事関係者からも、「解体まで終わらせたら、囲いだけ残して、そのままになるんじゃないかな」、「今のまま間に合わせようとしてたのに、なんだったんだ」などの声が聞かれた。
新国立競技場の建設計画見直し問題をめぐり、交錯する焦りと不安。
政府は、新たな建設計画を9月までに策定し、公表する方針
893億円