緊縮策の是非を問う国民投票が明日に迫るギリシャ。
ギリシャのチプラス首相の思惑としては、国民のNOを得て、
ユーロ各国の交渉材料にしたいところ。
YESならば緊縮策は飲まざるを得ない。
ギリシャをユーロの傘下に置いたまま融資を得てスタートとなる。
つまりこのまま。
しかしNoだった場合はどうか。
ケース1は、ユーロ各国がしぶしぶ譲歩して緊縮策の緩和をするパターン。
ケース2は、国民のNOをもらっても、交渉で上手くいかず、
ギリシャ政府が折れるパターン。
ケース3は、ギリシャ政府もユーロ各国も双方折れず、喧嘩別れ。
ギリシャのユーロ離脱パターン。
ケース2はチプラス首相が煽って国民の声を受けたのに
緊縮策を飲まされるとなると、ギリシャ国内で不満が爆発するだろうから、
可能性は低そうだ。
NOとなった場合、ケース1も3もありえそうだが、
ケース3となった場合、どうなるだろうか。
もしギリシャが独自通貨ドラクマを復活させるとしたら、
だれがドラクマを買うのかが問題だ。
そもそもギリシャに財産がないのだからドラクマの信用を得るのは難しい。
つまり発行当初から急落する可能性がある。
信用を得るには財産の確保、となると預金封鎖など色々な痛みが伴う。
そして、急に通貨の切り替えは難しいから、
ユーロとドラクマの併用期間をとるかもしれない。
もしかしたら、期間を区切らずユーロとドラクマの二通貨制になる可能性も。
そうなると、ユーロに対してはデフレ、
ドラクマに対してはインフレという現象も起きそうだ。
日本は独自通貨があるからまだ良いとして、
アジアの共同通貨を...なんて話が出たら、
慎重すぎるぐらい慎重にならねばならない。