日経平均12連敗に見る「ギャンブラーの誤謬」

内国人投資家さん
内国人投資家さん
7月4日、日経平均はとうとう12連敗を喫した。54年振りの、何とも輝かしい、いや、不名誉な記録のようだ。ここで俄然、注目されるのが、7月7日月曜日のマーケットがどのようになるかだろう。

確かに、保有株の含み益は減りつつあるので、下げて来ている事は実感できるのだが、12連敗している実感は、残念ながらない。これには、おそらく、400円や500円と言った急落の日がなかったからではないかと考えている。正に「ボディブローのように」という表現がピッタリの下落相場だったのではないだろうか。一発KOは食らってはいないが、徐々に体力を消耗して来た感じか。

ここで、12連敗とはいくら何でも下げ過ぎだ、と思うのは、実は危険だ。実際、RSIは7.9(私の計算値)と一気に10を割って来た。オシレータ系の逆張り指標では、売られ過ぎとも考えられる。だから、そろそろ反対の目、つまり「上昇」の目が出るのではないかと期待したい所だ。

だが、このよう考え方は「ギャンブラーの誤謬」として知られ、現実と平均回帰を期待する人間の期待とのギャップである。あくまでも、現実を歪めて見ているに過ぎないことに注意したい。

サイコロやコインが、過去に出た目を覚えていない事と同じように、株価も過去の価格を覚えていない。だから、明日、日経平均がいくらになるかは知る由もないのだ。これが一般的に知られている内容で、マルチンゲール性とも呼ばれるようだ。

だが、本当にそうなのだろうか。

まず、政治日程的に見れば、7日月曜日から、洞爺湖サミットが開催される。もちろん、内容の出来いかんにもよるが、議長国の日本に取っては悪い知らせではないだろう。だがその一方、テロの発生も警戒される。と言う事は、結局プラスマイナス両方の要因があるようだ。

だが、サイコロやコインと株価を同一に考えても良いのだろうかという、基本的な疑問もある。サイコロやコインは、偶然性が支配する部分が大きいと考えられるが、株価を動かすのは人間だ。投資家の思いや思惑が株価を動かすのだ。ここに、偶然性の入り込む余地は小さいのではないだろうか。

結局、買いたい投資家と売りたい投資家のバランスが取れた位置で価格が決まるという事になりそうだ。株価のランダム・ウォーク説は、行き着く所、投資家の思惑がランダムになっているからのような気がする。投資家の思惑や心理状態は無視できないのではないだろうか。そうすると、月曜日は「ギャンブラーの誤謬」に陥った投資家が、買いを入れて来る可能背も高いと見ているがどうだろう。

ちなみに、上昇と下落の確率が0.5で全く同一である場合、7日月曜日も下落して13敗となう確率も、反対に上昇し連敗を脱出する確率も同じと言う事になる。連敗自体は決して特殊な出来事ではない事が分かる。例えば、100連敗も99連敗後の上昇も同じ確率であり、もっと言えば、上昇下落、上昇下落と50回繰り返すのも同じ確率だ。つまり、過去10日間に発生した上昇と下落のパターンは、常に、過去20〜30年以来のパターンかもしれないのだ。たまたま、同じ目が連続しなかっただけなのだ。

最後になるが、私は上昇と下落の確率が等しく0.5であるとは考えていない。上昇の確率の方が高いと考えている。インフレ率も考慮しなければならないが、少なくとも、GDP成長率がプラスである限りは上昇の確率の方が大きいと考えている。そう信じたい。
2件のコメントがあります
1~2件 / 全2件
yoc1234さん

54年振りの12連敗と言われると、さすがに買い手が現れてくるでしょう。

問題は、その反発の程度ではないでしょうか。一時的な反発となるか、それをきっかけにトレンドが反転して行くかに注目ですね。
yoc1234さん
こんばんは。

一票投じます。

月曜日は大丈夫でしょう。
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