jojuさんのブログ
★借金過小と買収防衛策は企業成長、経済成長を下げる
表題は、今や常識だと思うが、10年くらい前は無借金経営がもてはやされるようなとこがあった。
企業は経営資金を、主として、株主から得た資金(株主資本)と社債や銀行等からの借金(負債)で調達する。
それを元手に稼ぎ、従業員、経営者(管理業務をする従業員)に賃金を払い、負債の利息を払い、負債の元本も返済し、さらに税金を払い、最終的に残った利益の中から企業オーナーたる株主は配当を得る
(株主は株式が売買されることでコロコロ変わるが、それはオーナー券の売買であり、コロコロ変
わってもオーナーはオーナーで、オーナー券を買ったことで、企業設立当初以来の全ての出資を
肩代わりしたのと同じことになる。 これはつまり、企業経営のリスク一切を背負うということ
でもある。 企業が稼いだ場合の利益を得る権利と、企業が損失を出した場合の損失をかぶる義
務を負う、、、それが株主になるということ)
株主たちが供出した資金は企業そのものであり(資本)、当然、返さなくていいお金だが、配当は払い続けなければいけない。
なので、財務的に見れば、それなりに資金調達コストがかかる。
株式の資金調達コストは好況時には安くなり、不況時には高くなる。
それは、好況時は株価が上がるので、少ない株数で莫大な資金を調達できるからであり、、不況時はその逆になるからである
一方、借金による資金調達コストはその逆。
好況時は金利高でコスト高になり、不況時は金利安でコスト安になる。
だから、最小コストで最大の資金を得るには、すなわち、資金効率を最大化するには、好況時に株式を発行し、不況時に借金しまくることである。
借金の少なさをもてはやす傾向は今でもあるが、無借金や借金過小な企業は、資金効率があまり良くない。
また、借金が少ない分、調達資金量も小さくなるので、成長性も低くなる。
買収は企業規模を拡大し、シェアを上げ、競争優位に立つ有効な手段だが、このM&A合戦でも借金過小企業は出遅れることになる
借金過小企業が多かったり、買収防衛策が強固で、企業買収があまりなければ、過当競争状態が持続しやすく、低収益な分野に人材、資金が張り付きやすくなる。
国全体として経済効率、経済成長が伸び悩むことになる。
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日本では、企業買収を従業員の生活を守る観点からネガテイブに書く向きが多い、
しかし、これは誤りである。
実際は、企業買収で従業員が職を失う可能性は低い。
反面、経営者はほぼ確実に失職し、被買収側の株主は(株式交換比率などにより)損失を被る。
買収後、従業員が過剰になり、その分だけ職を失うリスクはあるが、その過剰分は、企業買収が無くても業界全体では生じていたものである。
だから、過剰分は買収があろうと、なかろうと、早晩、リストラされる。
企業として傷が浅いうちに、買収され、早めにリストラされるのと、企業がズタボロになり倒産で職を失うのとでは、前者のほうが、従業員のダメージは小さい。
退職金をもらえ、やり直しがきく若いうちにリストラされることになるからである。
結局、買収防衛策は従業員を守るためでなく、無能経営者を守るためのもので、そのダシに従業員が使われてるに過ぎない。
買収防衛策では、無能経営者が無能なまま守られるので、国家経済、投資家、従業員全てに対しマイナス。
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