ユリウスさんのブログ

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アベノミクスの現状評価 -日本は世界の希望になれるか?-

 民主党の野田内閣から、平成24年12月26日に自民党の第2次安倍内角になって我が国はどう変ったか?どう変わろうとしているか?
 
 このエントリーでは安倍政権が「失われた20年」、デフレに落ち込んだ我が国経済を如何にデフレから脱却しようと努力しているか? その成功度合いはいかほどのものか? を経済データからマクロ的に見てみたいと思います。数字は嘘はいませんが、読む側の目の曇りでどのようにでも見えるものであることを自戒しながら、読み解いていきたいと思います。

1 アベノミクスは大きな挑戦である
 デフレが進行している中、「金融緩和では我が国の構造問題は解決できない」、「金融緩和では、社会福祉の改善は不可能だ」という意見は実に多かった。しかし、そういう意見には、「ではどうすればデフレから抜け出すのかというビジョン」が語られることは少なかった。一番具体的な意見は「消費税を止めたらよい」だったことを翔年は覚えている程度です。(笑)

 そんな中、安倍内閣は
第一の矢: 大胆な金融政策: 流通するお金の量を増やしデフレマインドを払拭
第二の矢: 起動的な財政政策: 10兆円規模の景気対策予算によって政府自ら率先して需要創出
第三の矢: 民間投資を喚起する成長戦略: 規制緩和によって企業、個人の真の力を発揮できる社会へ

の目標を掲げて走り出した。

 上の目標で最も重要視すべきは「デフレマインドの払拭」だと信じます。デフレスパイラルに落ち込むとそこからはなかなか脱出できない恐ろしいアリ地獄に国民はずっと苦しむことになります。
 安倍政権は日銀と協力してインフレターゲット2%年を目標にして、多くの国民が経済の先行きはインフレになるかも知れんぞと思うように努力を始めたのでした。そして黒田日銀総裁は日銀が供給する通貨を二年間で倍増させる「異次元の金融緩和」を打ち出しました。

 くどいですが、もう一度確認しておきましょう。金融緩和でデフレから脱却するには二つ条件が要ります。
一つは国民が国家経済は将来的に落ち込まないと信じることです。そうなると金融機関から経済全体に供給されている通貨の総量が増えてインフレを誘発するという状況、現時点で望ましい状況が生まれます。
二つ目は日銀が実際にその金融緩和を継続すると信じられること。たとえ国内で完全雇用が達成されたとしても、日銀は供給する通貨の総量を増やし続けると国民からみなされることです。
 これでインフレが引き起こされる。もし、将来もインフレが続くと国民が思えば、お金の使い方に変化が生まれてくると思う。

 「なんだか、キチンとした論理でなく、国民が信じるとか、国民が思うとか、心理学みたいですね。」といわれてしまいそうです。(笑) 実際そうなのです。経済学は人々が自由な欲望で行動することで活性化したり不活性化したりするものです。心理戦争の株式市場とよく似てますね。

本日の読売夕刊の記事(クリックで拡大し読めます)




 時あたかもグッドタイミング、本日の夕刊各紙は大きな見出しで「GDP2期連続プラス」を報じています。安倍政権になってから、マクロの数字がどれほど好転したか、ちょっと覗いてみます。


実質GDP   年率 +2.4%成長(2015/1~3月) ← 速報値
                累計 +1.5%成長(2012/10~12月-2014/10~12月)

株価      政権発足時 日経平均株価 8,661円(2012/11/30)
               本日の日経平均       20,197円
               変化幅             11,536円(+133.2%)

円の推移   政権発足時            79.1円(2012/11)
      本日                121.1円
               変化巾               42円の円安(53.1%)

失業率     政権発足時           4.33% (2012年)
                現在               3.69% (2015/4月)


 この数字でデフレ脱却ができると即断できませんが、望ましい方向に向かっているのは確かではないでしょうか。 
         
 特筆すべきは、円安が粛々と進んでいることです。通常は政府がちょっとでも為替操作をすれば国際社会から袋叩きに会うのが常識です。ところが今回の円安、どこからも非難の声があがりませんね。
 それは何故か? 我が国は規模の大きな財政政策と日銀の異次元金融緩和とを組み合わせる政策を実行しているだけ、その結果として円安が進行しているからでしょう。なんとスマートな賢いやり方でしょう。

 もし、文句をいう国があれば、貴国の政策を総点検したらどうでしょうかと言い返すだけでよろしいのですから。(笑) もし、アベノミクスが成功したら、「日本経済は世界の希望になる」と思っています。
  
    
(参考)
このエントリーはプリンストン大学教授ポール・クルーグマン先生のお説に基づいています。浅学菲才、間違いがあれば、勿論翔年の責任です。そのときはゴメンなさい。


「蛇足」
 蛇足ながら、翔年は1961年、池田勇人首相が「所得倍増」政策を掲げて登場した時のことが思い出されました。当時の首相は「今後10年で皆さんの月給は2倍になる」と例のだみ声で説明しました。「そんなアホな!」。翔年は工学部の大学生でしたが、意味が十分に理解できませんでした。当時の学者も評論家も、勿論国民のほとんども、十分に理解できなかったことを懐かしく思い出します。池田首相が所得倍増計画という経済政策で我が国を引っ張ったのは画期的な我が国政治の転換でした。 
今のアベノミクスへの批判や反対論よりも、もっともっと大きな反対の声が日本中に渦巻いていました。が、結果は大成功でした。 





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