そろそろ脂が乗って美味しくなるブリ、そのため『寒ブリ』とも呼ばれています。特に日本海の能登沖産のものは身が締まって有名ですが、刺し身、照り焼きなどが代表的な食べ方で、大根と合わせての煮物は家庭の味として広く親しまれていると思います。
日本では昔、武士や学者などは成人して元服すると、幼名とは違った名を名乗りましたが、魚も成長すると風味が変わるので、呼び名が変わる魚があります。これが『出世魚』で、子供の成長や知人の栄進を祝福する時、この出世魚を贈呈することがあります。
その代表がブリで、地域によって呼び名が変わりますが、関東では大きくなるにつれて「ワカシ」、「イナダ」、「ワラサ」と名が変わり、ブリになると体長が1メートルにも達します。東京周辺では、養殖物を無条件に関西の若魚の呼び名であるハマチと呼ぶことも多くあります。
ちなみに、関西では「モジャコ」、「ワカナ」、「ツバス」、「ハマチ」、「メジロ」、「ブリ」と呼ぶところが多いようです。栄養豊富でカリウム、ビタミンEなどを多く含んでいますが、新鮮なものは腹部に張りがあり、青く輝いています。