雑談

ヒロろんさん
本日は大安、立冬、そして満月です。

 贈物をする機会が多々あるかと思いますが、中世までは下位のものに対して下賜(かし)されるものを「贈物」と称し、上位の物へ進上されるものは「進物」といって区別していたそうです。現在ではこの区分は曖昧ですが、今でも「進物」には上位の者への献上品といったイメージが残っています。


 地位にかかわりなく相手への援助を旨とする贈物は「見舞」であり、旅の帰りや訪問など人の移動に伴う贈物が「土産」(みやげ)、祝福や感謝の印が「御祝」や「御礼」となります。状況に応じて名目の区別があり、熨斗(のし)の選択に迷うことも多々あります。


 ところで、その贈物をする際に、「心がこもっていれば何でもいい」とつい思いたくなりますが、そう簡単にはいかないのが世の中のようです。贈り物のタブーは現在も生きている場合が多く、こちらが無垢の心で贈っても、先方が不愉快に感じてしまってはせっかくの気持ちも台無しになりますので注意が必要です。


 いくつかタブーを挙げてみますと、結婚式の包丁、ナイフ、はさみなどは「縁を切る」に通じるため嫌われます。新築祝いのストーブ、卓上ライター、真っ赤な花などは、火事を連想させるということでパスした方が無難です。


 病気見舞いの鉢植えは「根がついている」ということで「寝つく」を連想させると言われています。またシクラメンはシク=死苦の響きが良くなく、椿や山茶花も花が首からポトリと落ちることから嫌われるようです。


 ちなみに、「弔事には偶数」、「慶事には奇数」が用いられることが多いようです。
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