旧暦8月15日夜の月、いわゆる「十五夜」の月見は中国に起源がありますが、旧暦9月の「十三夜」の月見は日本独自のものだそうです。十三夜の月は「後の月」(のちのつき)または「無双の月」とも呼ばれ、満ちてしまう前の状態を愛でる心は、いかにも日本的な情緒です。
ところで、昔の暦(太陰暦)は月の満ち欠けが基準となっていました。
月の満ち欠けは1年に12回ありますが、その周期はおよそ29.53日であるため1年の長さは現在よりも11日短い354日となってしまいます。
このズレを補正するために、約3年に1回(19年に7回)の割合で、別個にもう一つの月(閏月)を挿入するわけで、その年(閏年)は1年が13カ月となります。
ちなみに、旧暦の暦では大の月(30日)と小の月(29日)がほぼ交互に配され、それを絵図などで表現した大小暦は謎解きのような趣向を凝らしたものが多く面白いです。また、大小暦の絵の部分が発展して後の浮世絵の元になったそうです。
閏月がどこに入るかは二十四節気が関係してくるのですが、閏年の今年は9月の後にもう1回9月があり、カレンダーには「閏9月」と表記されています。
9月が2回あることで、十三夜も2回あります。実は今日11月5日が旧暦閏9月の13日で、今晩の月は「後の十三夜」(のちのじゅうさんや)と呼ばれるそうです。
十三夜の月が2回見られるのは171年ぶりのことで、一生に一度の「ミラクルムーン」だとして話題になっています。
景気の「気」は気分の「気」と申しますとおり、国民・消費者の気分は明るさが増せば、高級品の売り上げなども伸びます。
また、株価などの資産価格が上昇すれば、その分を当てにして消費や企業の投資もさらに活発化するのが普通で、これを「資産効果」と言います。
例えば500万円で取得した株式が相場上昇により800万円の評価額になれば、300万円の評価益は現金として手にしていなくても300万円をプラスαとして持っているようなものであり、これにより消費に積極的になる(財布の紐が緩む)ということです。
投資で実際に利益を得た場合でもそうで、売買で儲けた100万円と苦労して貯めた100万円とがあれば、売買で儲けた100万円の方が気前よく使いやすいということが言えます。本来は同じ金額・価値であるはずなのに、思い入れ等によって使われ方に違いが生じてきます。「あぶく銭」という表現もありますが、心理学では「心の会計」と言います。
ちなみに、サプライズ緩和で全体が急騰した先週末と連休明けの相場では、不動産株やノンバンクなどの金利敏感株、相場活況の恩恵を受けやすい証券株などが大きく上昇した中、資産効果を期待して百貨店株なども物色されていました。