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【1】今日の相場 **
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◎日経平均
15191.64(+152.68)△1.01%
◎TOPIX
1242.32(+ 9.98)△0.81%
◎売買高概算 19億2575万株
◎売買代金概算 1兆8760億円
◎時価総額 446兆2008億円
◎値上り銘柄数 1149 ◎(年初来)新高値 22
◎値下り銘柄数 552 ◎(年初来)新安値 11
◎変わらず 133
◎騰落レシオ(25日) 77.73%
◎カイリ率(日経平均)
25日線比-2.02%
75日線比-1.41%
◎為替
(対ドル) 108.10
(対ユーロ)136.66
◎出来高上位
1.みずほ <8411>
188.1円(+ 1.1円) 96,138千株
2.ユニチカ <3103>
46円(+ 1円) 72,122千株
3.ランド <8918>
15円(± 0円) 62,434千株
4.三菱UFJ<8306>
583.2円(+ 4.2円) 37,045千株
5.日立 <6501>
803.1円(+27.5円) 30,139千株
◎売買代金上位
(円)
1.ソフトBK<9984>
7380円(+ 139円) 95,597百万
2.日経レバE<1570>
10190円(+ 190円) 95,277百万
3.富士フイル<4901>
3587.5円(+86.5円) 63,981百万
4.トヨタ自 <7203>
6151円(+ 106円) 55,836百万
5.リクルート<6098>
3620円(- 30円) 35,695百万
◆相場概況
外国証券の寄付前の注文状況・・・売り1130万株 買い1180万株
本日の東京マーケットは、日経平均株価が前日比152円(1.01%)高の1万5291円で取引終了です。
中国やユーロ圏の景気指数の改善を好感して昨晩のNYダウは216ドルの大幅高となったこと、円相場が1ドル=108.00円前後の円安に振れたことを好感して朝方から幅広い銘柄に買いが先行。9:15には上げ幅が238円となる場面がありました。ただ、買い一巡後は週末とあって徐々に手控えムードが強まり、さらに米NYで新たなエボラ出血熱感染者が出たと報じられたことも重石となり、幾分上げ幅を縮小しています。売買代金は概算1兆8760億円、上海総合指数は0.1ポイント安の小幅安で2302.2です。
業種別では、医薬品、機械、情報通信、電機、食品、自動車などが高く、海運、空運などが下げています。
個別銘柄では、エボラ関連で日本アビオが52円高の307円と20%の大幅高。西アフリカから今月帰国した米NYの医師がエボラ出血熱の検査で陽性反応を示したと報じられ、材料視した買いが入っています。
同社は赤外線サーモグラフィーを手掛けており、世界的なエボラ対策のため同社製のサーモグラフィーの需要が増すとの思惑から買いが膨らんでいます。成田空港などでは入国者の体温を自動的に計測するサーモグラフィを導入し、感染症患者の入国を阻止する対策をとっています。同社は国内の一部空港で採用された実績があるとコメントしています。
他にもクリーンルームや簡易隔離ユニットを手掛ける日本エアーテックがストップ高で150円高の1025円、エボラ出血熱への効果が期待される薬を手掛ける富士フイルムが86.5円高の3587.5円、防護服やウイルス対策用ナノファイバーマスクを手掛ける小津産業が92円高の1803円。
患者の血液・体液などの飛散から着用者を防御する目的で使用されるマスクを販売する帝国繊維が114円高の2680円、臨床検査薬の栄研化学が74円高の1904円、防毒・防塵マスクを手掛ける重松製作所が82円高の882円、同じく防塵・防毒マスクの興研も290円高の2020円と値を飛ばしています。
日本初の火災報知器メーカーのホーチキが20円高の900円。13:35に4~9月期の連結最終損益が1億6900万円の黒字と発表。前年同期は2億4200万円の赤字だっただけに黒字転換を好感した買いが入っています。国内の火災報知設備や消火設備の売り上げが伸びています。
3月末に1→2株に株式分割し、検体検査機器・試薬で高シェアのシスメックスが115円高の4270円と3日連続高。4~9月期の連結純利益が前年同期比48%増の127億円になった模様と発表。従来計画16%増の100億円から増額修正となり、好感した買いが入っています。米州や中国で血液検査装置が好調です。
その他、好業績発表の日立が27.5円高の803.1円、医療用分析・解析装置やスマートフォン向けの半導体製造装置が好調で4~9月期過去最高益更新の日立ハイテクが3日連続高で95円高の3140円。
東京ディズニーランド&シーを運営するオリエンタルランドが3日連続高で320円高の2万1460円と年初来高値に急接近、建機・農機向け自動システムを手掛けるトプコンが64円高の2445円、船舶用塗料国内シェア6割、世界2位の中国塗料が41円高の829円と値を飛ばしています。
本日の新高値銘柄は、大林道、伊藤ハム、日清オイリオ、帝国繊維、ダイセル、蝶理、京成電、京阪電・・・等々です。
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【2】主な材料 **
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・長期金利、一時0.46%に低下 1年半ぶり水準
・霧島連山硫黄山に火口周辺警報 小規模噴火の恐れ
・風営法改正案を閣議決定 クラブ24時間営業可に
・大成建の4~9月期、利益率の改善で減益幅が縮小
・川重の4~9月期、減益予想が一転増益へ 円安で
・韓国の7~9月期GDP0.9%増 輸出落ち込む
・米アマゾンの7~9月期、物流投資かさみ赤字拡大
・エボラ出血熱、西アフリカのマリで初の感染者確認
・NYの医師、エボラ検査陽性 ギニアで患者に接触
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【3】主な投資判断 **
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[クレディS証券]
引上げ C→B
(5471)大同特殊鋼 430円
[JPモルガン証券]
新 規 A
(7606)Uアローズ 4,800円
据置き A
(6146)ディスコ 10,000円
据置き C
(7751)キヤノン 3,400→ 3,200円
[野村証券]
据置き A
(8036)日立ハイテク 3,517→ 3,680円
新 規 B
(5413)日新製鋼 1,000円
[SMBC日興証券]
据置き A
(5929)三和HD 810→ 830円
[三菱UFJMS証券]
据置き A
(8036)日立ハイテク 3,600円
据置き B
(4684)オービック 3,400→ 3,600円
[みずほ証券]
据置き A
(8750)第一生命 1,900円
※3段階評価はA~C、5段階評価は1~5にて表記
※投資判断を再開した場合は新規と記載
※価格は各証券会社が判断する妥当株価
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【4】イングランド銀行をつぶした男 **
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現在のEU(欧州連合)が誕生する前の話ですが、EC(欧州共同体)として経済統合を目指した欧州諸国は、域内の通貨間の為替レートを事実上固定するEMS(欧州通貨制度)とERM(欧州為替相場メカニズム)を進めていました。
1990年10月に東西ドイツが統一されると、域内に投資資金が流れ込み、欧州の金利は高めに推移していました。当時のイギリス経済は「英国病」といわれるほどの長い停滞期にありましたが、高金利通貨である欧州通貨の価値が上昇するとともに英ポンドも上昇しました。
これを経済の「歪み」と認識し、積極的に投機に利用したのがジョージ・ソロス氏です。
英ポンドはイギリスの経済実体から乖離して過大評価の域に達しているとみたソロス氏は、100億ドル以上のポンドの空売りを決行。防戦に回ったイングランド銀行(英中央銀行)はついには降参し、イギリスはERM脱退を余儀なくされます。
ソロス氏はこの時、20億ドル以上の巨利を手にしたといわれ、「イングランド銀行をつぶした男」と呼ばれるようになりました。
それ以降も数々のトレードで巨額の利益を上げ、現在は表舞台から身を引いていますが、ソロス氏の発言は今もマーケットや市場参加者に多大な影響を与えています。
ちなみに、米経済専門誌フォーブスが先日発表したヘッジファンドマネージャー資産ランキングによりますと、すでに引退し一族の資産運用のみを手掛けるジョージ・ソロス氏が資産240億ドル(約2.6兆円)でランキング首位となっています。
そんなソロス氏の投資哲学は下記のような発言からも垣間見れます。
◎「市場は常に間違っている」というのは私の強い信念である。市場参加者の価値判断は常に偏っており、支配的なバイアスは価格に影響を与える。私が確かに人より優れている点は、私が間違いを認められるところです。それが私の成功の秘密なのです。
◎私は市場システムが人間の取りきめた他のすべてのものと同じく、もともと欠点を抱えたものであると信じている。この信念が私の個人的哲学や、私のファンドの成功の基礎にあると言える。
◎市場のトレンドに追従する行動は必ずしも非合理的ではない。何も考えないトレンド追従者は市場の変わり目に傷つくだろうが、十分警戒していれば生き残る可能性が高い。
◎私の実践的スキルを要約せよ、と求められたなら、ただ一言「サバイバル」と答えるだろう。まず生き残れ。儲けるのはそれからだ。
尚、ソロス氏は慈善活動家としても知られており、慈善事業に寄付した金額で順位をつけますと、ソロス氏はビル・ゲイツ氏、ウォーレン・バフェット氏に次いで世界第3位となっています。
直近の安値となった先週末の終値ベースで、東証1部上場銘柄の約半数がPBR(株価純資産倍率)1倍を下回っていました。PBR1倍というのはいわゆる「解散価値」で、企業が解散(倒産)した際、資産総額からすべての負債を支払った後に残った資産を1株あたりで分配した場合の取り分と株価がイコールということです。PBR1倍を下回るというのは資産価値から見て割安で、そんな銘柄がまだたくさんあります。