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【1】NY市況 **
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□ダウ工業株
16994.22(+274.83)△1.64%
□ナスダック
4468.59(+ 83.39)△1.90%
□S&P500
1968.89(+ 33.79)△1.75%
□ダウ輸送株
8253.34(+ 78.03)△0.95%
□半導体株(SOX)
619.97(+ 13.77)△2.27%
□NY原油先物(11月限)
87.31(- 1.54)
□NY 金先物(12月限)
1206.00(- 6.40)
□バルチック海運指数
991 (-24)
□為替
(対ドル)108.09
(対ユーロ)137.62
□CME日経225先物
15695(+ 75)※大証比
8日のNY株式市場は、早期利上げに対する懸念後退で大幅に反発。ダウは今年最大の上げ幅を記録しました。
この日前半は手掛かり材料に乏しく、エボラ出血熱の広がりと世界経済の減速懸念で欧州株が軟調に推移していることが重石となる一方、前日の大幅安の後で売り込みにくいことや、午後発表の9月16~17日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨の内容を見極めたいとして積極的な商いが手控えられました。
FOMCの議事録で、参加者から世界経済の減速に対する警戒感や低インフレが長期化する懸念する声があがったことや、金融政策の先行きを示す「フォワード・ガイダンス」の変更に慎重な意見があったことが明らかになり、米連邦準備理事会(FRB)は利上げを急がないとの見方につながりました。
議事録発表後、市場のムードは一変。市場にくすぶっていた早期利上げに対する懸念が後退、緩和的金融政策が当面続くとの見方が広がり債券が買われ(金利は低下)、株式にも買いが膨らみました。ダウは前日の下落(272ドル安)を帳消しにする大幅高で3営業日ぶりに反発。上げ幅は2013年12月18日以来、約10カ月ぶりの大きさです。
S&P業種別指数は全10業種が上昇。ヘルスケア、公益、テクノロジーの上昇が顕著でした。
個別銘柄では、朝方に増収増益決算を発表したコストコ・ホールセールが買われ、同じく朝方発表の決算で赤字幅が縮小した種子・除草剤のモンサントも上昇。原油相場の下落を背景にマイナス圏で推移していたエクソンモービルなどのエネルギー株が上昇に転じるなど、この日は議事録公表後に市場のムードが一変しており、序盤下げていた銘柄はプラスに転じ、堅調だった銘柄は上げ幅を拡大する強い動きとなっています。
一方、業績懸念で百貨店のJCペニーが急落。信用保証会社が納入業者に出荷を控えるよう要請していると伝わった百貨店のシアーズも大幅安となっています。米国がエボラ出血熱の感染拡大阻止で空港での検疫を強化することからデルタ航空やユナイテッド・コンチネンタルなどの航空株が下げています。
尚、主要企業の先陣を切って取引終了後に発表された非鉄のアルコアの四半期決算は増収増益となり、通常取引終了後の時間外取引で同社株は買い優勢で推移しています。
ダウ構成銘柄ではデュポンを除く29銘柄が上昇。メルク、ユナイテッドヘルス、マイクロソフト、スリーエム、ジョンソン&ジョンソンなどが上昇率上位となっています。
NY原油先物は続落し、終値としては昨年4月17日以来、約1年半ぶりの安値水準で取引を終了。世界的な景気減速が需要が減退につながるとの見方に加え、この日発表された週間の在庫統計で原油やガソリンの在庫が大幅に増加していたことが売りにつながりました。金先物は反落です。
下落傾向が続いているバルチック海運指数(BDI)はこの日も大きく値を下げ、8月14日以来、約2カ月ぶりに1000ポイント割りこんでいます。
CME日経225先物は、円建ては15695(大証比75円高)、ドル建てが15720(同100円高)で取引を終了しました。
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【2】主な注目材料とニュース **
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☆注目材料
= NYダウ、大幅高! =
昨晩のNYダウは大幅高、前日比274ドル高の1万6994ドルと3日ぶりに上昇しています。
シカゴ日経平均先物は1万5695円と昨日の東京市場の日経平均株価1万5595円と比べて100円高い水準となっています。
今朝6:28の円相場は、対ドルで1ドル=108円11銭前後(昨日16:00台は108円26銭)で推移しています。対ユーロは1ユーロ=137円66銭前後(同136円85銭)と円安に振れています。
NY原油は、前日比1.54ドル安の1バレル=87.31ドルと2日連続で値下がりしています。終値ベースで13年4月17日以来、約1年6ヵ月ぶりの安値水準となっています。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間の石油在庫統計で原油在庫が市場予想を上回り、ガソリン在庫も市場予想に反して増加しています。世界景気の減速が意識されるなか、需給緩和懸念から売りが出ています。
NY金価格は、前日比6.4ドル安の1トロイオンス=1206.0ドルと3日ぶりに値下がりしています。
米非鉄大手のアルコアが8日引け後に発表した第3四半期(7~9月期)決算は増収増益。純利益は1億4900万ドル(1株当たり利益0.12ドル)と前年同期の2400万ドル(同0.02ドル)から大幅に増加しています。売上高は62億ドルと前年同期の58億ドルから増加しています。この発表を受け、時間外取引(日本時間6:30現在)で同社の株価は約1.8%上昇しています。
昨日の日経平均株価は大幅安、前日比187円安の1万5595円と2日連続で値下がりしています。9時52分には一時263円安の1万5520円まで値下がりする場面がありましたが、節目となる1万5500円を目前に押し目買いが入り、後場からは下げ幅を縮小しています。
東証1部の売買代金は2兆1732億円と2日連続で活況の目安とされる2兆円を上回っています。
本日は、8:50に8月の機械受注が発表されます。民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額は事前予想で前月比0.9%増(7月は3.5%増)と3ヵ月連続で増加する見通しです。
11:00に9月の都心オフィス空室率が発表されます。8月末時点の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス空室率は前月末比0.18ポイント低下の6.02%となっています。改善は14ヵ月連続で09年2月(5.60%)以来、5年6ヵ月ぶりの低水準です。
15:00に9月の工作機械受注・速報値が発表されます。8月の同・確報値は前年同月比35.5%増の1281億8500万円と11ヵ月連続で前年同月実績を上回っています。うち内需は18.5%増の419億3700万円と14ヵ月連続で増加。外需は45.7%増の862億4800万円と10ヵ月連続で増加しています。
15:00に10月第1週(9月29日~10月3日)の投資部門別売買動向が発表されます。9月第4週(9月22日~9月26日)は、外国人投資家が4週連続で買い越し、買越額は659億円(前週は2816億円の買い越し)となっています。個人投資家は7週ぶりに買い越し、買越額は340億円(前週は3407億円の売り越し)となっています。
一方、年金基金の動向を反映する信託銀行は9週ぶりに売り越し、売越額は222億円(前週は172億円の買い越し)となっています。
ファミリーレストラン「ガスト」「ジョナサン」などを手掛ける『すかいらーく』が本日、東証1部に新規上場します。06年にMBO(経営陣が参加する買収)で上場を廃止して以来、8年ぶりの再上場となります。14年12月期の1株利益予想(48.72円)に基づく公開価格1200円のPER(株価収益率)は24倍となり、20~25倍とされるその他の外食企業と同水準となります。
本日は、ファストリ(9983)、久光薬(4530)、マルエツ(8178)、松屋(8237)、プレナス(9945)などが決算発表を予定しています。
海外では、韓国市場が休場(ハングルの日)、英中銀金融政策委員会(2日目・最終日)、G20財務相・中央銀行総裁会議(~10日、ワシントン)などが予定されています。
◆主なニュース
・財源確保を2段階で 財務省、法人税引き下げへ課税案
・免税品拡大開始から一週間、都市部百貨店売上高膨らむ
・特養ホームやデイサービスの利用料下げ検討入る 政府
・コンビニ収益、商品力で差 上期決算、ファミマは減益
・安全運転の新技術を競う 家電見本市「シーテック」で
・エナリス、蓄電池1万台で電力需給を調整 遠隔制御網
・千代田化工、海洋ガスプラントに参入 伊最大手と合弁
・液晶のシャープ、8Kでも意地 来年にもテレビ実用化
・王子HD、営業利益2割減 4~9月、チラシ需要鈍く
・「イスラム国」、トルコ国境に迫る 米の空爆のみ限界
◆経済指標等
・対内証券売買契約(週間、財務省)
・機械受注統計(8月、内閣府)
・東京都心オフィス空室率(9月、三鬼商事)
・産業機械受注額(8月、日本産業機械工業会)
・特定サービス産業動態統計(8月速報、経産省)
・投資部門別売買動向(週間、東証)
・ESPフォーキャスト調査(10月、日本経済研究センター)
・米新規失業保険申請件数(週間)
・米卸売在庫(8月)
・米卸売売上高(8月)
◆その他
・新規公開
すかいらーく(東1・3197)公開価格1,200円
・決算発表
マルエツ(8178:首都圏スーパー大手)
ファストリ(9983:「ユニクロ」を世界展開)
近鉄百貨店(8244:阿倍野本店が3月に全面開業)
・海外決算
ファミリー・ダラー(ディスカウントストア)
ペプシコ(飲料・食品)
・英中銀金融政策委員会(結果発表)
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【3】心に残る名言 **
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闇があるから光がある。
そして闇から出てきた人こそ、一番本当に光のありがたさがわかるんだ。
小林 多喜二(書簡集)