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【1】NY市況 **
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□ダウ工業株
17137.36(+ 67.78)△0.40%
□ナスダック
4582.90(+ 20.61)△0.45%
□S&P500
2007.71(+ 10.06)△0.50%
□ダウ輸送株
8601.80(+ 52.01)△0.61%
□半導体株(SOX)
651.24(+ 5.53)△0.86%
□NY原油先物(10月限)
93.29(- 1.16)
□NY 金先物(12月限)
1267.30(+ 0.80)
□バルチック海運指数
1155 (+ 8)
□為替
(対ドル)105.08
(対ユーロ)136.08
□CME日経225先物
15685(- 5)※大証比
先週末5日のNY株式市場は、緩和的金融政策が長期化するとの見方から買いが入り主要指数は反発。ダウは過去最高値にほぼ並び、S&P500種指数は過去最高値を更新しました。
8月の雇用統計が朝方発表され、非農業部門の雇用者数が前月比で14万人2000人増と、市場予想(22万5000人程度)を大きく下回ったことから景況感が悪化し、この日は軟調なスタートとなりました。
一方で、金融政策の決定責任者であるイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は雇用市場の回復を重要視しているため、今回のような低調な雇用指標は緩和的金融政策の長期化につながるとの見方が相場を下支えしました。
ウクライナ政府と親ロシア派が停戦で合意したこともプラス材料。また、月内にもニューヨーク証券取引所に上場する予定の中国電子商取引最大手アリババ集団の公開価格が1株60~66ドルと発表され、新規公開(IPO)時の資金調達額は最大242億ドル(約2兆5400億円)に達することが明らかになりました。史上最大規模のIPOとなる可能性があり、市場が活気づくとの期待が買いにつながりダウとS&P500種指数はこの日の高値で取引を終了しています。
ダウは高値引けで反発。7月16日につけた終値ベースの過去最高値(1万7138ドル)にほぼ並びました。S&P500も高値引けとなり1週間ぶりに過去最高値を更新。ダウ輸送株指数は連日の過去最高値更新です。
S&P業種別指数は全10業種が上昇。公益、エネルギー、テクノロジー、ヘルスケアなどが上昇率上位となっています。
個別銘柄では、アリババの主要株主となっているヤフーが上昇。参考までにアリババの筆頭株主はソフトバンクで保有比率は34.4%、それに次ぐ株主が米ヤフーで保有比率は22.4%となっています。アリバババのIPOに際しソフトバンクは保有株を売る予定はないとのことですが、IPO時に新規発行を伴うためIPO後のソフトバンクの保有比率は32.2%になり、保有株の一部を売却する米ヤフーの保有比率は16.3%に下がる見通しです。
医薬品大手のメルクが上昇。米食品医薬品局(FDA)が同社の新しい抗がん剤を承認したことが伝わり好感した買いが入りました。著名人の写真流出を受け「iCloud」のセキュリティを強化する方針を示したアップルがしっかり。一方、8月の既存店売上高が市場予想に届かなかったアパレルのギャップや、ダラー・ゼネラルの買収提案を拒否した同業のファミリー・ダラーが下落。電気自動車のテスラ・モーターズは、同社CEOがテレビのインタビューで自社の株価は割高な部類に入ると発言したため売りが出て下げました。
ダウ構成銘柄では、ナイキ、ホームデポ、メルク、マイクロソフト、ウォルマート、ファイザーなどが上昇した一方、ボーイング、ユナイテッド・テクノロジーズ、キャタピラー、ゴールドマン・サックスなどが軟調でした。
NY原油先物は続落。雇用統計を受け景況感が悪化したことが売りにつながりました。金先物は小反発。為替市場でドルがユーロに対し下落し、ドル建てで取引されている金先物の割安感が増したことが買いにつながりました。バルチック海運指数(BDI)は続伸です。
CME日経225先物は、円建て、ドル建てともに15685(大証比5円安)で取引を終了しました。
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【2】主な注目材料とニュース **
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☆注目材料
先週末のNYダウは、前日比67ドル高の1万7137ドルとなっています。7月16日に付けた史上最高値(1万7138ドル)にあと1ドルと迫っています。
シカゴ日経平均先物は1万5685円と5日(金)の東京市場の日経平均株価1万5668円と比べて10円ほど高い水準となっています。
= SP500、史上最高値更新! =
S&P500種指数は、前日比10.06ポイント高の2007.71と8月29日以来、1週間ぶりに史上最高値を更新しています。
週末のNY市場の円相場は、対ドルで1ドル=105円05銭~15銭(5日16:00台は105円32銭前後)とやや円高に振れています。5日(金)に発表された8月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数の伸びが市場予想を下回っています。これを受け、米国の緩和的金融政策が長引くとの観測が広がり、ドルが売られています。
対ユーロは1ユーロ=136円05銭~15銭(同136円25銭前後)で推移しています。
NY原油は、前日比1.16ドル安の1バレル=93.29ドルと2日連続で値下がりしています。低調な8月の米雇用統計を受け、米景気の回復力が鈍いとの見方から原油需要の拡大期待が後退し、売りが出ています。
NY金価格は小幅高、前日比0.8ドル高の1トロイオンス=1267.3ドルとなっています。
= 8月の米雇用は14.2万人増、予想下回る =
米労働省が5日(金)発表した8月の雇用統計(速報値)は、景気動向を敏感に反映する非農業部門の雇用者数が前月比14.2万人増と市場予想の22.5万人増を下回っています。1月(14.4万人増)以来、7ヵ月ぶりに20万人を下回っています。同日改定した7月の雇用者数の伸びは速報値の20.9万人増から21.2万人増に上方修正、6月は29.8万人増から26.7万人増に下方修正しています。
一方、8月の失業率は6.1%と前月から0.1ポイント低下しています。
5日(金)の日経平均株価は小幅安、前日比7円安の1万5668円となっています。週間ベースでは前週末比244円高と2週ぶりに上昇しています。
本日は、8:50に4~6月期の国内総生産(GDP)改定値が発表されます。事前予想は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比1.8%減(速報値は1.7%減)、年率換算で7.0%減(同6.8%減)となっています。
同時刻に7月の国際収支が発表されます。経常収支(海外とのモノやサービス、投資などの収支状況)の事前予想は4440億円程度の黒字(6月の同・速報値は3991億円の赤字)となっています。2ヵ月ぶりに黒字に転じる見通しです。
14:00に8月の景気ウオッチャー調査が発表されます。7月の調査では、街角の景況感を示す現状判断指数(DI)は前月より3.6ポイント高い51.3となり、3ヵ月連続で上昇しています。景気判断の分かれ目とされる50の水準を4ヵ月ぶりに上回っています。2~3ヵ月先を見る先行き判断DIは前月より1.8ポイント低い51.5と2ヵ月連続で低下しています。50の水準は4ヵ月連続で上回っています。
その他、今週の主な国内経済指標・行事として、9日(火)は8月の消費動向調査、8月の工作機械受注・速報値、日銀金融政策決定会合議事要旨(8月7・8日開催分)。
10日(水)は7月の機械受注。
11日(木)は7~9月期の法人企業景気予測調査、8月の都心オフィス空室率。
12日(金)はメジャーSQ算出日、黒田日銀総裁が講演(東京・政策研究大学院大学)などが予定されています。
海外では、本日は8月の中国貿易収支、休場:中国(中秋節)、韓国(秋夕)、台湾(中秋節)。
9日(火)は米アップル社「新型iPhone」発表イベント開催予定、休場:香港(中秋節振替)、韓国(秋夕)。
10日(水)休場:韓国(秋夕)など。
週後半の11日(木)は8月の中国生産者物価指数(PPI)・消費者物価指数(CPI)、8月の米財政収支。12日(金)は8月の米小売売上高の発表などが予定されています。
◆主なニュース
・錦織圭、テニスの全米オープンで決勝進出
・楽天が米ネット通販を買収 1千億円超、世界市場に足場
・イオンが仏高級冷食 ピカールと提携、14年内に売り場
・景気回復の足どりもたつく 増税・天候、個人消費に影響
・神鋼、中国で強度2倍・軽量の車用鋼板生産 合弁に技術
・ミサワなど住宅メーカー、賃貸売り込み 相続増税に商機
・日本触媒、紙おむつ材3割増産 日欧アで800億円投資
・ロームや村田製作、小さな力・光で発電 新装置を事業化
・パナソニック、独ボッシュと相互供給を検討 白物家電で
・アリババIPO調達額、最大2.5兆円 上場仮条件決定
・「停戦守られている」で一致 ロシアとウクライナ大統領
◆経済指標等
・GDP(4~6月期改定値、内閣府)
・国際収支(7月、財務省)
・対内証券売買契約(8月、財務省)
・特定サービス産業動態統計速報(7月、経産省)
・企業倒産(8月、民間調査会社)
・景気ウオッチャー調査(8月、内閣府)
・中国貿易統計(8月)
・米消費者信用残高(7月)
◆その他
・主な決算
学情(2301:就職情報専業)
ミライアル(4238:半導体シリコンウエハ容器メーカー)
萩原工業(7856:樹脂繊維製品)
トーホー(8142:業務用食品卸の最大手)
・中秋節で中国や台湾市場が休場
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【3】心に残る名言 **
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現代人は自由そのものを求める。
何かをしたいための自由ではなく、
何かをしないための自由である。
福田 恆存
(ふくだ つねあり、劇作家・評論家)