ラーメンおじさん(後編)

投財堂さん
投財堂さん
(後編)





でね





外を見ながら・・・

もちろん、立ったままですよ。



いきなり





ズルズル・・ズルズル・・と



ラーメンを食べ始めたのよ。



ちょっと笑いながらね。





照れ笑いですかね。





想像してみて下さいな。





一番先頭車両の、先頭のドアにへばりつき

笑いながらラーメンを啜るおじさんの姿を。







思うに







ホームの立ち食いそば屋でラーメンを頼み



まだまだ電車の到着まで

時間はあるな・・などと思いながら

注文したラーメンが来るのを待つ。





そこへ、何の因果か手違いか。



頼んだラーメンがなかなか来ない。





いら立つオジサン。





「へい、お待ち!」



ラーメンが出てくると、ほぼ時を同じくして

ホームに電車が滑り込んでくる。



焦るおじさん。



この電車に乗らなければ

遅刻してしまう。



さりとて、この電車に乗ったら

目の前にある、おいしそうなラーメンに

ありつけない。





考え抜いたすえ、おじさんは

最後の手段を取りました。







ラーメンを持ったまま



通勤電車に乗る・・という暴挙に出たのです。





慌てる立ち食いそば屋の店主。





まさか、どんぶり持って

電車に乗るなんて思ってもなかったでしょうね。





無銭飲食かどうかは、判りませんがね。



多分、払ってないと思います。



あそこのそば屋、食べた後に払いますから・・・





・・と、ここまでは想像出来るのですがね。







でも、判らない事が一つ。



食べた後・・・

あのどんぶり、どうしたんでしょうか?



(了)
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