遅ればせながら9月4日の(欧)ECB・金融政策発表や(欧)ドラギECB総裁記者会見についてまとめていきたいと思います。結果はご存知のようにまさかの内容となっていますΣΣ(゚д゚lll)ズガーン!!
ECBは金融緩和拡大を決定!ABS買い入れも! まさかこのタイミングでECBが金融緩和をさらに拡大してくるとは誰が予想できたでしょうか?
6月にターゲットを絞った長期資金供給オペ(TLTRO)の導入を決定し、今月9月に実施されるのにも関わらず新たな政策を実施するということは、まだ始まってもいないうちから失敗を認めるようなものです。
こういった理由から、今回は動いてこないのではといった見方が大勢だったのですが、実際には大きな利下げを決定しています↓
■20:45 (欧)ECB金融政策発表(要旨)
・リファイナンス金利(主要政策金利)0.15%→0.05%に引き下げ
・限界貸付ファシリティ金利(貸出上限金利)0.40%→0.30%に引き下げ
・預金ファシリティ金利(中銀預金金利)-0.10%→-0.20%に引き下げ
驚きですねΣ(゚□゚(゚□゚*)ナニーッ!! まぁなんといっても金利が低ければお金を借りやすくなるわけですが、加えてお金を預かってしまうと逆に利息をとられるというマイナス金利がさらに加速しています。
民間では利息が低いのでお金をじゃんじゃん借りることができますし、逆に銀行はお金を預かってしまうと逆に利息を取られてしまうので、嫌でもお金を貸さなければいけないという通常ならありえない状況となっています。
そんなわけで、ユーロがより入手しやすくなって希少性が下がりますから、ユーロ安という状況になります。まずはこの発表で大きく値を下げました。
そして、ドラギ総裁の記者会見ではカバードボンドの買い入れが10月から行われると発表されました↓
■21:30 (欧)ドラギECB総裁記者会見(要旨)
・量的緩和(QE)の協議が行われ、今日の決定は中間の妥協点
・本日の決定は全会一致ではなかった
・(利下げは)これ以上の調整が不可能な下限に到達した
・民間への融資の伸びがマイナスで景気回復を阻害する可能性が高い
・ユーロ建てカバードボンドの広範な買い入れを実施する
・透明性の高いABSの広範な買い入れを実施する
ABSとカバードボンドの買い入れについては、正確には擬似QEといった指摘もありますので、その辺については後ほど解説していきますが、とにかく国債などの債券を中心にじゃんじゃん買って、その買われた分のキャッシュ(現金)が市場に供給されるといった構図となっています。
これらサプライズ的な金融政策の大幅緩和によって、当然ユーロ売りの流れとなって1年2ヶ月ぶりの水準まで下落しました↓
まぁ今後もユーロ売りは続くでしょうね。また、ユーロ売りの始まりとともに、どんどんユーロを借りて他の通貨や債券を買うといったユーロキャリートレードも活発化してくるでしょう。
そして、その先にあるのはまさに金余りからのバブルでしょう!いよいよ日本と欧州の一段の金融緩和により、世界的な株高となりそうな気配です。ぜひともこのチャンスはしっかり活用したいですね(b´∀`)ネッ!
今回の決定は量的緩和か?一定の疑問も… そして今回の決定が量的緩和と呼べるか否かといった疑問の声もあがっていたので、それについても解説させていただきます。