日本海側の漁港ではズワイガニの水揚げに沸き、栗の産地では栗の出荷が始まり、各地の観光ぶどう園ではぶどう狩りのシーズンを迎えています。
松茸(まつたけ)のシーズンはもう少し後ですが、涼しい日があった影響で早めに成長した松茸が初物として百貨店の店頭に並びはじめたそうです。
ところで、松茸はコロニーを作って発生するのですが、その領域は「シロ」と呼ばれ、シロの場所を知らない人間が採取するのは難しいと言われます。
傘が開ききってしまうと味も香りも落ちる松茸は、地表からわずかに頭をのぞかせたところを見究めて採取するため、このことも素人がなかなか見つけられない一因となっています。
採取が難しい松茸にちなみ、「キノコ(松茸)は千人の股をくぐる」という言葉をご存じでしょうか?
これは第一次南極越冬隊長を務めた西堀栄三郎氏がその著書「石橋を叩けば渡れない。」で紹介されていた言葉で、松茸を探しに行き、たくさんの足跡があるのを見ると、多くの人が探し歩き回った後ではもうみつからないだろうと考えるのが普通ですが、千人の人が探して歩いて見つからなくても千一人番目に歩いた人が偶然見つけることがあるという例えです。
これから先も多くの人が新しい何かを発見し、同じモノを利用しながら人と違った考え方で上手くいったり、誰もが知っているやり方で成功する人がでてくるはずです。
新しいことはすでに誰かが見つけているかやっているはず、だからもうない
だろうと決めてかかるのではなく、あきらめないこと、そして虚心坦懐(何のわだかまりもない素直な心で、物事にのぞむ姿勢)であることが大事だということを上記の言葉は教えてくれます。