インドは、貧しいお茶ボーイをしていたモディさんがインドのグジャラート州の経済改革の実績を引っ提げて首相となられてから、少なくとも株式市場は活況ですね。
多分、米国大統領の初当選後に期待感から株式相場が上昇しやすいのと同様に、ハネムーン期間(約100日)は悪い話が無い、というのと似ているのではないかと思っています。
確かに、政治家一家となったネール王朝とも言われていたガンジー閥よりも、たたき上げで首相となったモディさんの構想力と実行力は、大きく期待できます。でも、そんなに簡単に発展が約束される訳ではないと思っています。
インドは、「インフラ」が整っていないことが問題とよく言われると思います。恐らく、道路、公共輸送機関、エネルギー供給などの設備的なインフラの事を言われていることが多いと思いますが、私は、実際には「教育インフラがあまりにも貧弱な事」が一番の問題と感じています。
男尊女卑の思想や長老支配などの悪弊も、不十分な教育(あるいは全く学校にも行っていない)のが根本にあり、国の発展を阻害している主要因になっていると思っています。識字率が60-70%では、カーストのような差別化された構造が残り続けてしまうのは必然です。
ですから、モディさんが食い扶持を稼ぐための産業に注力すると同時に、教育環境の改善に大きな資源を投入しするのであれば長期的にインドの未来は明るくなります。
それともう一つ、公務員汚職の防止・厳罰化が必要です。実効性を持たせるために、警察、税務、検察組織のトップ層の半分を今後20年間程度は、低位カーストの指定席にする時限立法なども成立させる事などまで踏み込んだ対応が必要でしょう。
金持ちが、苦労せずに金持ちになる、現状のシステムは革命でも起こさない無い限り改革は困難でしょう。公務員が言葉通り、公僕として働き、低位カーストの人も最低の小学校の義務教育は受けることができる環境をどうすれば整えられるか、インドの継続的な発展のためには、非常に重要な問題だと思います。
こんな事を書いていくと、モディさんが長期的に、インド発展の礎として、どの程度の事を法律レベルで実現していけるか、難問が山積しています。
でも、モディさんだからこそ、ある程度の希望を託したいし、応援したいですね。
SPE