最終話:台無し
ついに決断を下す女神デメテル。
「わかりました。娘が生き返らない限り元も子もありません。
非は母である私が受けましょう。」
女神デメテルにとっては悲しい選択でした。
桃姫はそもそもムキムキになろうと思っていない気がしますが…。それはそれとして。
「決まりや。
ほな桃姫の所に行こか。」
ゼウスがパチンと指をならすと、
四人は一瞬にして桃姫のもとに移動していました。
配管工兄弟は体当たりができずに少々残念そうですが、
物語の都合上、仕方ない事なのです。我慢してもらいましょう。
「さてと。ほんなら桃姫ちゃんにワシが直々にネクタルを口移しで…」
「えっと、ヘラ様のメアドはたしかアドレス帳に…。」
「わー! これはジョークや、オリンポス・ジョークや。
堪忍な!」
これぞ予定調和。
女神デメテルはゼウスからネクタルの瓶をひったくり、もとい。受け取り、
桃姫の口へ含ませます。
するとどうだろう。
淡い光が桃姫を包み込こみ、なんと桃姫はまぶたを開いたではないか!
そう、桃姫は生き返ったのだ。
「桃姫よ、これでそなたも神々の仲間入りや。」
ゼウスは優しく、威厳に満ちた声で続けます。
「そなたが今、こうして生き返ったのも、ここにいる者たちのお陰や。
そして今までの生活も、育ての親をはじめ、様々な者たちによって助けられたお陰なんや。
それ踏まえた上で、自分が何をつかさどる神になるのかを決めなはれ。
ワシからは強要せえへん。」
桃姫はこれまでの人生を振り返り、思いをめぐらします。
自分が体験した事の数々、そして出会った人々…
そして答えを出します。
「じゃあ決めた。
私、合コンの女神になるぅ!」
「「お前が単に合コンしたいだけだろうがっ!」」
その場にいた全員、桃姫にツッコミ。
こうして、合コンの女神がここに生まれた。
ゼウスのありがい言葉を台無しにして!
Fin!