人間の心理

ヒロろんさん
 常に合理的な判断で行動を決定する人間はまれで、実際には感情や気分で動くのが人間であり、そうした行動の集合体が経済であるとの考えの下、人間心理の側面から経済を理解しようとするのが行動経済学あるいは行動ファイナンスと呼ばれるものです。

 例えば行動ファイナンスに関する本では次のようなことが指摘されています。

~寿司屋のランチメニューで「特上・上・並」とあれば、「上」の注文がいちばん多い。一般に、三つの選択肢では真ん中が好まれる。売る立場でいうと、4000円と5000円の類似商品があって、値段の高いほうを売りたいと思えば、6000円という選択肢を追加すればよい。~


 心理学と経済学は一体のものであると考えるこの分野では、人間心理に関するたくさんの「法則」が例示されています。株式投資とは直接的な関係は薄いのですが、「ピーク・エンドの法則」そんな法則の一つです。

 端的に言えば「あらゆる経験の快苦は、ほぼ完全にピーク時と終了時の快苦の度合いで決まる。経験の記憶は主観によって変えられ、その出来事の長さには関係ないという特徴がある。人間の記憶はすべからく捏造される。出来事のすべてを逐一記憶することは不可能なので、その経験のピーク時と最後のあたりの記憶が、その経験の快苦のすべてを決定してしまうことになる」というものです。

 つまり、デートで好印象を残すには、逢っている時間の長さではなく、始終楽しませることができなかったとしても、「最高潮の時にどれだけ盛り上がったか」と「最後の印象」が重要な要素になるというわけです。

 最初から最後までパーフェクトである必要はなく(それを目指すと全体に失敗しがち)、いっときでも最高の瞬間をつくること。そして最後の瞬間で嫌な感情を抱いてしまうと、経験全体が「イヤなもの」になってしまう可能性があるため、最後に好印象を残すよう気を配ることです。

 記憶に残るのは「クライマックスとエンディング」であるというこの法則はビジネスの場ではもちろん、様々な場面で役立ちます。
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