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高齢者人口の増加を背景に、大人向けの紙おむつ市場が拡大している。一般的な紙おむつだけではなく、関連商品も続々登場しており、各社は一層の販売増を狙う。
最大手のユニ・チャームは介護が必要な高齢者だけではなく、軽い尿漏れに悩む中高年の男性が多いことに着目。紙おむつの技術を応用し、下着に備え付ける男性向け尿漏れパッドを四月に発売した。
出だしの販売は好調で、高原豪久(たかひさ)社長は「今後も大人用の需要は伸びる」と、成長市場として期待する。大王製紙も六月上旬に、大人向け紙おむつなどを生産する新工場を福島県いわき市に建設すると発表した。これまでも生産体制を増強してきたが、需要拡大でさらなる投資を決めた。
ユニ・チャームによると、大人向け紙おむつ市場の規模は、二〇一三年度までの直近五年間、毎年5%程度の伸びを示し、今後も拡大するとみられている。一二年度の国内紙おむつの市場規模は三千億円程度で、大人向けは約千六百億円と半分以上を占めた。
一方、縮小傾向にあった乳幼児向け市場でも、明るさや変化が見え始めた。
「無理におむつ離れをさせる必要はない」という社会的な流れから、おむつを使う子供の年齢層が広がり、従来品より大きなサイズの需要が伸長したためだ。「メード・イン・ジャパン」を好む海外の富裕層向けに、日本で商品を買って輸出する業者が現れたことも販売には追い風。業者の購入で一時的に在庫不足になったケースもみられた。