今日は、子供の日。曇っているが、晴れた日に、空にたなびく鯉のぼりは、何といっても清々しい。
1 甍(いらか)の波と雲の波、
重なる波の中空(なかぞら)を、
橘(たちばな)かおる朝風に、
高く泳ぐや、鯉のぼり。
2 開ける広き其の口に、
舟をも呑(の)まん様見えて、
ゆたかに振(ふる)う尾鰭(おひれ)には、
物に動ぜぬ姿あり。
3 百瀬(ももせ)の滝を登りなば、
忽(たちま)ち竜になりぬべき、
わが身に似よや男子(おのこご)と、
空に躍るや鯉のぼり。
中国では、流れの急な龍門という河を登りきった鯉は龍になるという。登竜門はここからきている。まあ、そんなことはともかくとして、晴れた日に、農家の庭先に大きな鯉のぼりを見ると、これこそ日本の風景と感じる。そして、盛りを過ぎた菜の花も、先の辺りに黄色の小さな花を、つけている。野の花々が、一斉に咲きだす。
自然の活力を感じる。そんな時に、別に経費をかけなくても、近くの野原(といっても、なかなか見られませんが)に行ってみるのもよい。田んぼ道や神社でもいいだろう。こんな処でも結構子供は、面白がって、遊ぶものである。子供にとっては、探検であり冒険でもあり、未知なるものの発見でもある。
楽しみは、やりようによっては、いくらでもある。「人の行く裏に道あり花の山」である。東京でも、路地には、植木の花を、けっこう見つける。そんなものを見ながらの散策でもよいだろう。