中信紙工が開発している段ボール製のみこし
塩尻市の段ボール製品製造販売業「中信紙工」が段ボール製で組み立て式の精巧なみこしの開発を進めている。祭りなどで子どもたちにも本格的なみこしを担ぐ喜びを体験させたいと考案。夏祭りシーズン前の発売に間に合わせようと急ピッチで完成を目指している。
昨年、地元公民館役員を務めた同社の川窪裕(ゆたか)社長(47)=塩尻市峰原=が地元の祭りに参加した際、大人が担ぐ本格的なみこしは子どもは担げず、子ども用みこしは竹ざおと段ボールで作った簡素な物だった。「地域の祭りを受け継ぐ子どもたちにも、きちんとした形のみこしを担がせてあげたい」と思い立ち、昨年夏から自社で製作を始めた。
みこしは長さ190センチ、高さ115センチで、重さ13キロ。組み立て式で屋根や鳥居、担ぎ棒など約30点の部品を精巧に製作。30分ほどで組み立てられるという。
製作は、製造業向けコンサルティング業の「プロノハーツ」(塩尻市)の協力を得て、造形物を立体的にコンピューターで設計する3次元CAD(キャド)で部品をデザイン。昨年、中信紙工が導入した厚みのある段ボールを曲線に切ることができる装置で切った。
基本の形はあるが、みこし側面の図柄や担ぎ棒は、変更できる。色は茶色、白、黒がある。
価格は4万~5万円を想定。川窪社長は「子どもだけでなく、お年寄りが多いお祭りでも使える。自分たちで色を塗ったり、飾り付けも楽しめるので、オリジナルのおみこしのコンテストもやってみたい」と思い描いている。