帰りのバスターミナルの階段の途中で、70代位の男性がエンストを起こしているのに遭遇しました。どうしたのかと訊ねると、
「この荷物、たんだでねくてよ!」
…この荷物、大変な量で持ちきれない、という津軽弁。見れば両手にトイレットペーパーとティッシュペーパーが2パックずつに洗剤や食品の大盛りレジ袋が…
気の毒だと思い階段を上がりきるまで全部持って行ってあげると男性何度も何度も被っていた帽子を取りモヤシ状白髪頭を下げ、
「いやぁ助かった、なんぼいーネーチャンだべ。これ、お礼にけら(あげる)!」
と言ってティッシュペーパー一箱取ってくれようとしたので
「いいですいいです、私もたくさん買いましたから」と辞退しました。
持ち株暴落の憂き目も忘れいい気分でバスに乗り込むと、中はトイレットペーパーにティッシュペーパーの山が乱立! みんな窓側の席を占拠して、通路側のおば様おばあちゃまたちはすまし顔
なんだか紙の問屋みたいだなと思ったらおかしくなって、笑いが止まらなくなりました。
辺りの雪もすっかり消えて、春はすぐ手の届くところまできています。あんなに辛かった冬も耐えていれば必ずいなくなってくれるのです。持ち株の冬も、きっとじきに去って春爛漫になる日がきてくれるに違いない…
そんな妄想を巡らせながらクシャミをしたら、立っている私の横で座っていたおば様がもろに厭そうに顔を背けたのでガッカリ。風邪じゃないのよ花粉症よちゃんとマスクもしてるでしょ、なんならそのティッシュ一箱分けてくれない? と、よっぽどおねだりしようかと思いましたが、私のリュックにも鼻セレブティッシュボックス、3つ立派に鎮座ましましていたので諦めました