yuhsanさんのブログ
Wi-Fiと電子書籍
今回は、Wi-Fiと電子書籍の紹介です。この欄をご覧になっておられるような知的レベルの高い方でも、Wi-Fiと電子書籍については案外ご存知ないのでは。
実は明日、私の友達を集めて、キンドルストアで発売された、電子書籍「五能線」の出版記念会を行う予定になっています。出席者は、大会社のOBが多く、それなりの職責を経て卒業しているはずですが、在職中はパソコンに触れることなく、リポート作成は若手社員と割り切って、仕事をこなしていたようです。電子書籍も、紙の本と同じようなものと思っている人がほとんどです。
出版記念会というと、受付には本が積まれ、受付のお嬢さんが来客者に、著者のサイン入りの本と、記念品を渡すという情景が浮かびますが……、残念ながら本はありません。
代わりに、表紙の写真と、作品の紹介、それに本を見るための詳細な解説書を渡して、電子書籍と、それを見るためのリーダーとWi-Fiとの関係について、理解してもらわなくてはなりません。以下は、そのときに使う「いろは」です。
~~Wi-Fiと電子書籍~~
ウィキペディアによると、Wi-Fi(ワイファイ、Wireless Fidelity)は、無線LAN規格のひとつで、最近ほとんどのパソコンに、この規格が使える装置が内蔵されています。
無線で情報を受発信する機器には、携帯電話から発展したスマホ、タブレットなどがあり、これらの機器は、受信契約を結び月額料金を払っていれば、歩いていても電車の中でも、日本全国どこでも使用が可能です。
Wi-Fiは、電話線を使って情報をやり取りするパソコンから展開したもので、プロバイダーに月額料金を支払い、無線ルーターをパソコンに繋げば、無線LAN装置を内蔵したパソコンとの間で、情報のやり取りができます。
最近パソコンも小型化され、ノート型からタブレットタイプまで、さまざまな機種が売り出されています。ただ、パソコンでは、Wi-Fi電波の届く範囲でしか使用できないため、外見は同じでも、スマホとは明確な区別があります。電波が届き、パソコンが使用できる状況をWi-Fi環境と呼んでいます。無線LANが使える環境という意味です。
このように、パソコンは、Wi-Fi環境でないと、ネット情報は利用で行きませんが、Wi-Fi環境自体は、自宅から外部に広がって、電話線なしでパソコンがネットに繋がるようになってきました。ホテルからレストラン、空港と、人の集まるところからWi-Fi環境が整備され、有料から無料へと使い勝手もよくなっています。
最近では、国が先導する形で、外人観光者向けにWi-Fi環境の整備を進めています。東京の銀座通りでは、12年9月から無料公衆無線LAN計画として、パスワードなしで、誰でも移動しながらでも、Wi-Fiが使えるようになったと報じられています。CNBCによると、東京都は今年度中にでも、おもな観光施設でWi-Fiが使えるようにする計画を発表しています。
Wi-Fi環境の整備が進んでくると、電子書籍を見る際に使われるリーダーの使い勝手が向上し、その普及にいっそう拍車が掛かってきます。
電子書籍は、紙の本とは違い、それ自体は形のない電子ファイルの一種です。ファイルを見るリーダーがないと、本になりません。子供に本を出版したことを説明するのには、リーダーを示すのが一番分かりやすいのではと思っています。
電子書籍用のリ-ダーとしては、アマゾンのキンドル、楽天のコボなどがありますが、いずれも無線LAN装置を内蔵し、Wi-Fi環境で使用できるようになっています。電子書籍のファイルは、通常電子書籍出版社のホームページに展示されていて、見たい本は、出版社に料金を支払って、リーダーにダウンロードする必要があります。そのためリーダーと出版社とは、ネットで情報のやり取りをする必要があり、Wi-Fi環境の整備普及は、電子書籍の発展に不可欠な環境となっています。
Wi-Fi環境から一度ダウンロードした電子書籍は、リーダーがあればいつでもどこでも見ることができ、リーダーには100冊程度の本を保存するメモリー容量を持っています。最近の電子書籍専用のリーダーは、読書用に留まらず、ネットに繋いで情報の検索から音楽再生、写真の撮影から動画まで、さらには、メール、ゲーム、ショッピングとスマホと同じような機能を持つようになっています。
電子書籍は、スマホからも、ダウンロードして閲覧は可能ですが、この場合はスマホの一部機能を書籍リーダーとして利用しています。スマホ契約は、1台について料金が掛かる仕組みになっていますのが、専用のリーダーでは、料金の掛からないWi-Fi電波を使っています。
専用のリーダー(キンドル・ファイア、13,000円程度)を発売している世界最大の電子書籍出版社のアマゾンでは、当初自社発売のリーダーでしか、電子書籍を見ることができないような仕組みでした。ただ、スマホの普及から、スマホ閲覧用のアプリを開発して、スマホからもダウンロードし、キンドルのリーダーからスマホに書籍を転送してスマホで見られるようになりました。
私の知る限り、コボにダウンロードした書籍は、まだスマホで見ることはできないようですし、キンドルとコボとの互換性もありません。その他の大手電子書籍出版社で発売された電子本が、キンドルやコボで見られるかについては、確認しておりません。
~~電子書籍Q&A~~
Q1.電子書籍を作るのは、難しいでしょうか?
原稿はパソコンのワードで作り、PDFかEPUBとして電子書籍化します。ホームページを自作する程度の知識があればできますが、いいものを作るには、それなりの努力と時間が必要です。でき上がったファイルを出版社に転送すれば、出版は可能ですが、販売は大変です。
Q2.電子出版の自費出版は可能ですか?
私の本は、原稿作成、企画、割付、校正、EPUB化と、従来出版社がやっていた機能のほとんどを自分でやり、出版社は本の販売だけでした。表紙以外、完全自作といえます。最近では、10万円程度の費用で、電子書籍の製作を引き受けてくれる会社もあるようです。ただ、ファイルの出版を引き受けてくれている大手は、アマゾンだけです。
Q3.中小の自費出版社について一言?
アマゾン以外の大手電子書籍出版社は、従来出版した本の電子化か、出版社が刊行する書籍だけを電子出版し、自費出版物は販売していません。中小の電子書籍出版社では、ファイルを受け入れて出版してくれますが、ジャンク本も多く、出版物をそのままの形で専用のリーダーでは見ることができません。大手の出版社では、版権保護のため独自のファイル保存形式を取っているからです。
Q4.Wi-Fi以外の方法で、リーダーに電子書籍をダウンロードできますか?
パソコン上にファイルをダウンロードし、USBコネクターを通じてリーダーに転送すれば可能です。スマホはWi-Fiを使っていませんので、ダウンロードすれば、そのままご覧になれます。
Q5.電子書籍のいい点は?
コストが圧倒的に安くできることです。紙の本では、返本率が5割とかいわれていますが、電子書籍では、在庫も、返本処理も不要です。究極のエコといえます。
写真、音楽、動画といったメディアとのコラボが可能で、新しい出版文化が生まれます。マンガを読むには最適な方法です。
Q6.電子書籍が普及しない理由は?
やはり見るまでの手間が、面倒だからではないでしょうか。リーダーがなければ見られない、リーダーの扱いが難しい、プレゼントや記念品になりにくい、本の価格が思ったほど安くない、既存の出版文化からの抵抗も大きい、と、いろいろあります。
私としては、スマホの普及で、リーダーの問題は、かなり解消したと思っています。本を読む人の層が、もう少し若返れば一気に普及するのですが……。
Q7.電子書籍発展のためには?
電子書籍普及運動、電子書籍図書館、Wi-Fi環境といった、インフラ整備に期待しています。
先日、電子書籍「五能線」を大学のOB会に寄贈しようとしたら、受け入れ設備がないという理由で断られました。紙の本なら立派な図書館があるのですが。せめて会館の一隅に、Wi-Fi設備を整え、電子書籍を閲覧できる程度の設備が欲しい、と提案しておきました。
yuhsanさん
初めまして。
私もe-mobileのWiFiを使用していますが、WiFiの大きな欠点にダウンロード制限
があります。(e-mobile 4Gで7GB/月。)
これを超えるとガクッとスピードが落ちるので、動画やゲームをするヘビー
ユーザーは要注意で、これがWiFiが普及しない原因の一つになっています。
(ちなみに私は10G/月を超えるので、制限のないUQ-WiMAXに乗り換えようか悩んでます。これはこれで電波の飛びが悪いので問題ありますが。)
この辺りキャリアはちゃんと伝えないので、あとでよくもめてるようです。
参考まで。(ご存知でしたらゴメンなさい)
こんばんは
コメントありがとうございました。
Wi-Fiは電波が弱いので、ヘビーユーザーさんは、電線で繋ぐより仕方ないのでしょうね。
かといって、スマホでは金が掛かるし……。
今日、キンドルファイアを持って、吉祥寺の町でどれだけWi-Fiが使えるかためして見ました。
デパートも、コンビにも、レストランも無線は飛んでるのですが、パスワードがないと使えません。
近くの図書館では、ソフトバンクと契約していないと駄目でした。
スタバとマックは、事前登録してありましたので使用できました。
まだまだ、Wi-Fiは使い勝手が悪いようです。
最近は格安SIMも出てきてますが、それでもやはりまだ月々の利用料金が高いと思われます。携帯電話の普及もS、D、Aの価格競争で本体代金および基本料金の低下によるところが多いと思われます。
Wifiももっと安くならないと、電子書籍はそれほど流行らないのではないかと思います(すみません、ネガティブで・・・)。楽天のコボも多分、あまり収益性は出ないかと思われます。
やっぱりさらなる価格競争が必要でしょうね。
myu2007さん
コメントありがとうございます。
おっしゃるように、携帯の利用料は高いですね。月単位ではそれほどと思っていても、年にすると大変な額になります。
そんなわけで、私もスマホは持っていません。
娘たちは、スマホでメールなどやっていますが、私は相変わらず、電線型のPCで、日記を書いています。
Wi-Fiも、外では利用できるところが限られ、やはり家の中が中心です。
残念ながら、電子書籍時代はまだ先のような気がしますね。