［東京 １７日 ロイター］ - 前場の東京株式市場で日経平均は続落した。ウクライナ南部・クリミア半島で１６日、ロシア編入の是非を問う住民投票が実施されたことで、欧米とロシアの対立がさらに深まるとの懸念が広がり、リスク回避の売りが先行した。為替の落ち着きなどを背景に、日経平均は一時はプラスに転じる場面もあったが、前引けにかけて再度売り直された。
欧米が対ロシア制裁に踏み切れば、ロシア側の反発も予想されるとして、株式市場では警戒感が強い。市場では「ウクライナ情勢の先行きが読めず、今晩の米国株市場の反応を見極めるまで動きにくい。日経平均は値幅調整が進んだため下値では先物に買い戻しが入るが、米国株や為替の動向次第で改めて売られる可能性もある」（内藤証券投資情報本部部長の浅井陽造氏）との声が出ていた。
中国の電子商取引会社アリババ・グループが１６日、新規株式公開（ＩＰＯ）を米国で実施することを決めたと発表。筆頭株主であるソフトバンクが含み益拡大の思惑で大幅高となり日経平均を下支えした。
他の個別銘柄では、ニコンが４日続落。中国中央電視台（ＣＣＴＶ）が１５日、番組の中でニコンが同国で欠陥商品を販売しており、製品交換の要請にも応じないなどと批判したことが嫌気された。半面、田淵電機は急伸。１４日に発表した２０１４年３月期業績予想の上方修正が好感された。
東証１部の騰落数は、値上がり４３１銘柄に対し、値下がりが１２１４銘柄、変わらずが１４７銘柄だった。
日経平均<.N225>
前場終値 14264.21 -63.45
寄り付き 14254.32
安値／高値 14247.8─14359.16
東証出来高(万株) 88304
東証売買代金(億円) 8766.92
