株価が上がり、国の2014年度予算も過去最大。今年は景気のいい話題の中で24日のクリスマスイブを迎えた。
高級ケーキにシャンパン、さらにはクルーズ船などに人気が集まり、「バブル時代」を想起させるような景気のよさ。プレゼントを待ちわびる子供たちにとって、アベノミクス効果で期待が高まるのが“サンタ”たちの懐具合なのだが……。
◆プチバブル
横浜港から出港する遊覧船「ロイヤルウイング」の「クリスマスクルーズ」は、夕食付きで1万5000円以上だが、24日夜はすでに予約で満席。運航する会社の担当者は「去年は無料乗船券を配ったが、今年は配らなくても満席」と景気の上向きを実感する。
東京湾を周遊する「シーライン東京」では、期間の21~25日のうち23日を除き満席状態。担当者は「通常価格より3000円高い窓際指定席から予約が埋まった」とほくほく顔だ。
家族みんなで食べるクリスマスケーキも高級志向を前面に出す例も。コンビニ大手のローソンでは、イチゴの「あまおう」を敷き詰めた1万500円のケーキが予想を上回る売れ行きで、「予約は昨年より1割多かった」という。
◆ちょっといいもの
いつもより少しだけ「ぜいたく気分」を味わう動きもある。大手菓子メーカーの不二家では、景気回復を想定して今年から発売した高級ベルギー産のチョコを使ったケーキ(3500円)が人気だという。通常のケーキよりも1000円高いが、広報担当者は「既に品薄状態だ」とうれしそうに語る。
クリスマス定番の高級商品のシャンパン。高級スーパー「成城石井」の担当者は、「3000~4000円台のちょっと高めが売れ筋」と語る。普段は1000~2000円台のスパークリングワインが売れ筋だが、イブは少しだけぜいたくする傾向にあるといい、「バブル期のような超高級志向ではなく、自分の手の届く範囲で、いい物を選んでいるのでは」と指摘する。