以下の文章は、ジャーディン・フレミング投信投資顧問(現在、J.P.モルガン・
フレミング)が企業訪問をする際の注意事項33カ条である。
かなり的を射ていて、我々が銘柄選択をする上でも役に立ちそうなので紹介します。
ディスクローズ
業績悪化時ディスクロージャーが悪くなる(なりそうな)会社は避ける。
ディスクロージャーに熱心すぎる会社には注意する。
急成長企業の新規分野への強気発言は5割引で聞く。
社長
創業者の魅力に騙されるな(創業者は常に確信犯)
オーナー経営者は投資家と株価について利害が一致する。(サラリーマン経営者は
株価には比較的無頓着)
優秀な番頭のいる会社はリスクが少ない。
後継者が育っている会社は将来性が高い(2代目はほとんどスポイルされている)
決算説明会の時に不必要に多くの役員、社員を連れてくる社長は独裁者か数字の
ことを知らない(決算説明会の法則)
良い社長は、これからなにをするかでなく、今までしてきたことと現在していること
を語る。
自分の過去の苦労話にインタビューの大半を割く社長を持つ会社の成長性は高く
ない。
創業者の過去の歴史を知ることは、投資に役立つ。
創業者の自叙伝をプレゼントされたら、その会社に投資しても儲からない。
平凡な社長は総論を話し、優秀な社長は各論も話す(優秀な経営者の話
は常に具体的)
社長室は嘘つけない(経営者の経営に対する考え方、性格が無意識のうちに出る)
社長が著名人との親交をにおわせる、もしくは強調する時はその会社への投資は
避けた方がよい。
本社ビル
社長室の豪華さとその会社の成長性(風通しの良さ)は反比例する。
豪華な本社ビルを建てたときは、業績のピークか株価のピークかその両方である。
スリッパに履き替える会社に投資すると不思議に儲からない(スリッパの法則)
体操を社員に強制する会社は、儲からない。
会社分析
きざしには気をつける。
成長産業には成長株がないことが多い(低成長産業に成長株があることがある)
多角化は多悪化になることが多い。
過去の成長は将来の成長を必ずしも保障しない。
地獄から這い上がった会社は強い。
自分でその会社のサービスを受けて満足を受けたら投資価値がある。
モラルの低い業界、企業は遅かれ早かれボロをだす。
PLの分析よりもBSの分析に時間をかけろ。
BSの分析よりもキャッシュフローの分析に時間をかけろ。
疑うよりは信じた方が最終的には成功する。
市場の噂は気にするな。
市場の噂は意外に正しい。
社員同士が役職名で呼び合う会社よりは「さん付け」で呼び合う会社への投資の
方が、リターンが高いことが多い。
自社製品以外のお土産をくれる会社への投資は儲からない(お土産の法則)
用語解説
ディスクロージャー=(Disclosure) 企業経営内容の公開。
BS=(Balance Sheet)貸借対照表 企業の財政状態を明らかにするための表。
PL=(Profit and loss statement)損益計算書 企業の経営成績を明らかにする表。