買われすぎ、売られすぎ、期待しすぎ、失望しすぎ。
ここで突然コマツのお話。そう、あのコマツ。
以前、コマツの社長の講演を聞く機会があり、
そこで初めて知ったんだけど、
コマツは自社が売った建機の稼働状況を全て把握している。
そもそも盗難防止の目的で作ったシステムが、
建機一つ一つに搭載され、世界中の建機をモニタリング。
今や盗難防止以外の事に大いに役立ち、
IT戦略の要にもなっているとのことだった。
それにより景気不景気が分かるという裏話も聞けた。
でさ、今から2､3ヶ月位前だったかな、そのコマツ君が
「僕さ、中国の景気が底入れしたように感じるんだ」
と言っているというのをロイターの記事で見た。
おお、それは例のシステムの稼動状況からそう言ってるんだね。
時を同じくして、ピジョン君か誰かも（すっかり忘れた）
中国の景気底入れを宣言をしていた。
中国の一番の取引先であるユーロ圏もすっかり元気だし、
何より世界経済が回復基調にあるからね。
大きく遅れをとっている上海株もやっとこさ上がるね。
と思ってしばらく見ていたんだけど、
多少は上昇したかな、でも日米欧に比べると全然ダメ。
そうこうしている間に、ついに「三中全会」開催。
習近平国家主席になって初めての重要な会合。
ここで今後10年間の経済改革の青写真が決まるというから
かなり注目度が高かったんだけど、結果に市場は失望。
まだ詳しい内容がはっきりしていないのに、
期待が大きかったからなのか、上海・香港ともに下落。
専門家からも失望の声が聞こえる中で、ある中国のアナリストが
「中国基準ではこれは改革というに等しい」と評価していた。
既得権益の巣窟である中国においては、
改革にむけた真っ向勝負はかなり難しい。
大きな改革は難しくても、ほんの小さな改革が
ダムに入ったヒビ的にいずれ大きな動きになるかもしれない。
それに株式市場に限って言えば、
早いか遅いかの話で上海もいずれ世界と足並みを揃えてくる。
新興国から先進国に向かった資金も回遊して元に戻ってくる。
ということで、三中全会の期待が大きかったため失望も大きく、
いきすぎた失望感から下げた上海株は、意外にも狙い目かもしれない。
以上、失望の中に好機あり、というお話でした。
