ドイツ、アンゲラ・メルケル率いる保守系与党、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が得票率41.5%で大勝したニュースが流れた。
これで、3期目続投でドイツのユーロ圏での政策は継承されそうです。
ドイツのGDPは、ユーロ圏ではトップランナーで、フランスとともに他国を牽引している国です。
そもそも、EU最強マルクからユーロへの移行時に実質的な通貨安で、最大の輸出益を得ました。
ところが、リーマンショックを発端に破綻危機国(ギリシャ、キプロス)に対し、緊縮財政を強いてきました。
破綻危機当事国からすれば、
「ユーロ移行期にあれだけ貿易益を得ながら、財政破綻危機にあえいでいる我々に対し、緊縮財政を要求するとは、救済の意思が全く感じられず腹立たしい。」と、反発する。
ドイツからすれば、
「自国のバランスシートをごまかして申告し、身の丈に合わない投資に失敗した責任は当事国にあり、ドイツ国民が負うべき責任はない。」と、開き直り、
「そんなにドイツに救済しろと迫るなら、ユーロから離脱するぞ。」と、脅しを入れる。
又、ドイツが、金融緩和策(マネタリーベースの倍増など)にかなり消極的なのは、第一次世界大戦敗戦時、賠償金支払いで財政破綻して、ハイパーインフレで苦しんだ経験があるからだと言われている。
とにかく、メルケルがユーロ圏で今後も幅を利かせてゆく事が、はっきりしたわけで、危機対策はのらりくらりと切れ悪く進みそうです。
よって、日本経済へのプラス要因はあまり有りません。
しいて言うなら、ドイツがヨーロッパで四苦八苦している隙間に、金融緩和で刷られた日本マネーを、新興国に的確に投資をしていく、いい機会にしたいものです。