おはようございます。
昨日の日経平均は、週末の東京オリンピックの開催決定を受けて、日経平均は14,141.67円と前日比+220.86円の大幅な反発で始まり、終値が14,205.23円で前日比+344.42円(+2.48%)と始値よりも高くなって終えた形となっています。
こう書くと、株価が朝の寄付きから大引けにかけて上昇したように見えます。
しかし、東証の取引時間前のシカゴグローベックスの日経平均先物が普段の100枚以下より大幅に増加して9:00までに3,000枚を超えて一時は13,370円に達したほか、大証の日経平均先物が朝の寄付きが14,320円で始まり、9:00のうちに14,350円を付けたものの、その後は急速に売り崩されて9:02には14,250円まで下落し、そこから一進一退を繰り返して14,250円前後で推移している間にようやく現物株の日経平均が追い付いて9:12に昨日の最高値14,251.46円をつけた形になっています。
ですが、この9:12の日経平均先物は14,270円から14,260円ですので、実は日経平均は先物価格より20円ほど下回っていたといえますから、先物に追い付くことなく下落したという方が正しいかと思われます。
さらに、現物株の日経平均が最高値を付けた直後の9:13には14,260円で一気に2,000枚も約定し、14,260円で100枚の約定が2つほどあって9:13のうちに14,250円まで下落していますので、9:12に14,270円で約定していることと合わせて考えると、恐らくこの2,000枚の約定は買い方の買い上がりを狙った仕掛けではなく、売り方が仕掛け的に大量の売り注文出したものと推測されます。
7月の参議院選挙の直前の木曜日に一時400か500円ほど急落した際のきっかけとなったのが、日経平均先物に一気に2,000枚の売り注文が出たことと解説されていたことから判るように、この2,000枚の売り注文が一気に出たのはかなり強力な売り仕掛けといえると思われます。
もっとも7月の時は10時台というザラ場そのものの時間で先物の売買が少ない時間帯とは異なり、比較的売買が多い9時台前半だったため、直ちに買い方が対抗する注文を入れたことにより、この時点の買い指値と考えられる価格の14,260円で受け止めることが出来て、9:14にも14,260円での約定が100枚以上あり、この2,000枚という大きな売りを受け止めた後もさらに買い支えていますから、買い方もかなり踏ん張っています。
しかし、9:14のうちにこの時点の買い指値と推測される14,250円で84枚と341枚という約定の後に14,240円まで下落していますので、大口の売り注文による値崩しが急速に進んでいます。
そして、9:15には14,230円で99枚、200枚、200枚と売り込まれ、14,240円で9:17に99枚、200枚、9:18に186枚と約定と買い方が反撃したのもむなしく、14,230円で9:17に186枚、75枚、86枚、9:19に45枚、240枚と売り込まれたため、一気に買い指値が下がってしまい、9:20には14,210円で157枚、14,200円で25枚、45枚、22枚、118枚とどんどん下落して14,190円まで売り込まれました。
この後も徐々に下落が進んで10:10には14,150円で140枚などの売り注文が約定して14,140円まで切り下がった先物価格に主導されて日経平均も上げ幅を縮めており、前日比で大きく上昇したにもかかわらず、売り方が比較的優位に相場を動かしています。
もちろん10:27に14,150円で250枚、250枚、50枚、10:30には14,170円で287枚と買い方も反撃し、10:37に14,180円まで値を戻して10:54までは14,180円と14,170円での約定が続いています。
しかし、11:01に14,150円で1,000枚という大きな売り注文が出るなと再び売り方に押し込まれ、11:06には14,120円まで下落し、日経平均先物がそのまま前場の引けを迎えたため、日経平均も上げ幅をかなり小さくして前場の引けとなっています。
現物株の取引が昼休みに入った後の11:32に14,120円で455枚も約定するなど売り方がさらなる下落を目指したようですが、買い方も対抗したため、後場の寄付きの12:30には14,130円となっており、この売り仕掛けは上手くいかず買い方が防衛に成功しています。
この様に昼休み中の攻防をしのいだことをきっかけに、12:39には14,180円、12:47には14,190円、13:19には14,210円となり、14:01には14,240円と日経平均先物は後場の最高値を付けるところまで値を戻していますので、後場の買い方の反撃はある程度成功したようです。
もっともその後はやや下落した水準で一進一退を繰り返して現物株の大引けの15:00には日経平均先物は14,200円とされたため、日経平均の終値が14,205.23円で前日比+344.42円(+2.48%)と先物に引っ張られる形で14,200円を辛うじて死守する水準となっています。
この様にオリンピックの開催決定という好材料があったにも関わらず、意外と売り方が優位に推移していたことが、昨日あまり値を上げずに終わった要因と思われます。
なお、昨日はTOPIXは1,173.00(前日比+25.18、+2.19%)、東証1部時価総額は前日比+2.17%といずれもいずれも日経平均の上昇率+2.48%を下回ったものの前日比では大きく上昇し、東証1部では値上がり銘柄が1,624(92%)で値下がりが94(5%)と値上がり銘柄が値下がり銘柄を大きく上回っており、特に偏ることなく幅広く買われてほぼ全面高となっていますので、日経平均先物が朝の寄付きより下落した影響で上げ幅が小さくなったとはいえ、好材料を素直に好感して大幅な上昇ということも可能です。
また、小型株・新興株のマザーズ指数は698.32(前日比+14.64、+2.14%)、JASDAQ指数は89.99(前日比+2.57、+2.94%)(TOP20が前日比+0.81%、スタンダード指数が前日比+3.01%、グロース指数が前日比+1.04%)といずれも上昇しており、昨日は大型株から小型株まで幅広く買われており、ほぼ全面高といえそうです。
なお、売買代金はが東証1部が前日の1.71兆円から2.10兆円へ増加して久しぶりに2兆円を超えてやや売買が活発になっています。
また、JASDAQスタンダードは729.76億円と前日の1259.88億円から減少し、JASDAQグロースは44.44億円と前日の54.39億円から減少するなど、大型株へ資金がシフトしたのか、新興株・小型株はむしりろ薄商いになっています。
昨晩のNYダウは、シリアのアサド大統領がすべての化学兵器を来週中に国際社会に引き渡せば、攻撃を回避できると述べ、対シリア軍事行動をめぐる懸念が 和らいだことが市場心理を明るくしたほか、前向きな中国指標が市場心理を明るくしたことから、 米連邦準備理事会(FRB)がQE3の金融緩和縮小に着手するとの見方が強まったものの、15,063.12ドル(前日比+140.62ドル (+0.94%%) )と上昇して終えています。
日本時間22:00(シカゴ時間8:00、NY時間9:00)に14,927.19ドル(前日比+4.69ドル)とほぼ横ばいで始まりましたが、この始値を最安値として先に述べたことを材料に上昇して、15,000ドルの大台を回復しています。
こうしたNYダウの上昇を受けて、シカゴグローベックスの日経平均先物は東証終値のころの日経平均先物から上昇して14,330円と昨日の東証の朝の寄付きのころとほぼ同水準に戻って前日の東証終値から+125円となっていますので、本日の日経平均は続伸して始まることになりそうです。
なお、シカゴグローベックスの日経平均先物は出来高が40,156枚とやや増加していますが、先に述べた東証の取引時間前の出来高が3,000枚を超えたことを差し引くと37,000枚強となりますので、薄商いの状況が続いているといえそうです。
また、NY日本株ADRも下記の通り東証終値から上昇となっていますので、この点から見ても続伸して始まりそうです。
ファーストリテイリング (9983)ADR円換算 34,359 東証比: +309(+0.9%)
ファナック (6954)ADR円換算 16,169 東証比: +174(+1.0%
ソフトバンク (9984)ADR円換算 6,613 東証比: +163(+2.5%)
京セラ (6971)ADR円換算 10,854 東証比: +194(+1.8%)
トヨタ自動車 (7203)ADR円換算 6,316 東証比: +56(+0.9%)
本田技研工業 (7267)ADR円換算 3,868 東証比: +33(+0.9%)
日産自動車 (7201)ADR円換算 1,048 東証比: +18(+1.7%)
ソニー (6758)ADR円換算 2,153 東証比: +62(+3.0%)
パナソニック (6752)ADR円換算 930 東証比: +15(+1.6%)
シャープ (6753)ADR円換算 393 東証比: -3(-0.8%)
東京三菱UFJ (8306)ADR円換算 632 東証比: +9(+1.4%)
三井住友FG (8316)ADR円換算 4,787 東証比: +112(+2.4%)
みずほFG (8411)ADR円換算 214 東証比: +2(+0.9%)