東京オリンピックについて予想する

WERDさん
本日のドル円は雇用統計を受けて一時的に急落。98円台に突入することになったが、その後は落ち着いているようである。やはり、「ジブリの日」の相場アノマリーは本当であった。

このスタジオジブリのアニメ映画、私はいままで見たことがないのだが、国民的な人気があるようである。しかし、今注目すべきはこれではない気がする。

相場の話題は、いよいよ東京オリンピックに移っていくだろう。

私の世代では、アニメというとポケモンや遊戯王などを思い出すが、私よりも年配の世代の間で、「Akira」というアニメに絶大な人気がある。これも聞いた話でしかないが、この物語の時代背景が、2020年で東京オリンピックをテーマにしていると密かな話題になっているようだ。

この2020年というのは、日本経済を分析するに当たっては、しばしば出てくる、いわばターニングポイントになる数字である。いつだったかゴールドマンの日本の不動産予測をロイターで読んだとき、2020年に向けて東京の不動産が上昇する云々の記事が出ていたような気がする。

それらアノマリー的な予測の中に出てくる2020年、という数字の根拠はなにか?・・について考えてみたい。

答えは、日本の人口ピラミッド構造にある。

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画像はwikipediaから借用した日本の人口構造ピラミッドであるが、ここで注目すべきは、赤い四角枠で囲った40代から60代までの人口構造である。

40代から60代というのは、マイホームの持ち家世代であるとともに、子供の教育費を抱えているという2重支出を抱えており、その消費支出は、人生の中でピークを迎える。いわば、日本の内需産業にとって最大の貢献者であるのだ。

現在、40代から50代の世代の大半は、いわゆる新人類世代で、私の親世代に該当するのだが、ここの世代は、人口が少ない。
民主党政権以降の日本の内需産業停滞とデフレ化は、この世代の相対数が少ないことによりもたらされたものであることが分かるだろう。

今後は、団塊ジュニア世代が、上図の本格的な支出ピーク域に突入し、そのピーク年が2020年というのが彼らの主張の根拠のようだ。

しかし、この主張には、不確実要素がある。

基本的に、彼らの支出のピークは、マイホームと教育費によって発生することが知られているが、彼らの子持ち世帯の数に注目したい。

アメリカなどでは、エコーベビーブームが2000年前後に発生し、日本もそれに続いて、第三次ベビーブームが起こると考えられていたが、それは結局やってこなかった。セオリー通りなら、現在の10代は我々20代を上回る数で推移しなければならないのだが、彼らの人口は、我々の世代よりも少なくなってしまっている。

結果として、消費支出の2大柱の一つである教育支出、という観点では、現在の新人類世代のそれを下回る結果となりかねない。

もう一つの支出、マイホームに関してはどうだろうか?

基本的に住宅というと、都市部から離れた郊外に発達するものなのだが(ドーナツ化現象)、彼らは未だに独身で一人暮らしをしているので、今後は逆ドーナツ化現象と都市の高齢人口集中が起こると考えられる。

日本の不動産市場で見た場合、地方の衰退が起こるので全体としてはマイナスだが、都市の人口集中により、都市部の価格は横ばいかやや上昇傾向が起こる可能性があるのだ。

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私は20代だが、社会的に30代や40代の人たちと関わるようになって気が付いたのだが、彼らと共通する話題を見つけるのが難しいことである。その反面、50代くらいの人とはなぜか話が釣り合ったりする。

なぜ、こうした違いが生まれてしまったのか?

以下は、世代間の繋がりを示した図である。

(クリックで拡大。)
女性の平均出産年齢が28歳であることから、子供の両親の年齢は、28歳を起点として正規分布に従うということである。

これを起点にして正規分布を見てやると、赤と青と灰色の3つのグループに分かれる。

それぞれの色の各面積を比較してみると、

赤=青 > 灰色

の順になる。

結果として、赤と青が多数派、灰色が少数派になってしまう。

自分の世代間理解が進まないのは、自分が赤もしくは青の多数派に所属しているからではないか?

やはり、20代と50代、今の30代と60代は、家族間による繋がりが強くなっているようだ。

灰色の場合はこれの混合種であるが、基本的に少数派である。過去百年間の人口分布をみる限り、この二つの赤と青の流れは数年の周期で繰り返され、各世代間に多数派による断絶を作り出している可能性がある。

*相場のアノマリーとして、伊勢神宮の「米の座」と「金の座」があるが、これは周期説で説明できる。

以下は主要労働力世代における赤青それぞれの分布を簡略化した図

(クリックで拡大)

仮に人口多数派の団塊世代、団塊ジュニア世代を赤色で、新人類世代、ゆとり世代を青色で表すとしよう。

今後は、団塊世代の退職とゆとり世代の就職により、社内の人口形態は、上図のように、グループAからグルーブBに変化することになる。

これで何が起こるか??

→真ん中の団塊ジュニア世代の社内での孤立化が進む。

ということである。

人口数においては、社会の中で多数派である彼らが、主要労働力においては、20代と50代の板挟みにあい、少数派に転落することになる。

これは、ミクロベースの会社内にとっては、どうってことのない話だが、マクロベースの日本経済全体にとっては、ネガティブ要因になるかもれない。

上図のグループBでは、団塊ジュニア世代の労働力リソースを有効活用できていない非効率なシステムということになる。

これでは結果的に、社会全体の停滞をもたらす可能性があるので、
日本は、社会的にも根本的な構造改革を進めねばならないのは明白である。

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2020年に東京オリンピックが決定した場合、今の団塊ジュニア世代の子供たちにあたるであろう、いわゆる「いじめ世代」が活躍する時期にあたる。

1964年東京オリンピックで団塊世代が活躍したのは言うまでもないが、2020年はどうだろうか?

スペインとトルコは票を奪い合う関係にあるので、スペインが落選したら、落選票は東京に、トルコが落選したら、落選票は東京に向かう・・という意味で東京が有利か?

次に有利なのがトルコ。東京が落選したら、落選表はトルコに向かう。

スペインは、一発で過半数を取得しなければダメ。

2次候補のトルコが、中東問題で失速する中で、この離反票をスペインと東京で奪い合うことになるが、はたしてどうなるか?

私は東京が有利であるとみている。

これは、2番目に決まりそうなトルコが中東問題で失速したときに日経平均が大きく上昇したことによる。

相場は、情報を瞬時に織り込んでしまうから、注意が必要だ。
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