― この投稿を、さまよえる子羊たちへ捧げる ―
私は旅人。
今も旅の途中で、しばし休息
あなたも少し足を止めて、
耳を傾けてみないか。私の話に。
旅といったらトラブルが付き物
なんの考えも無く、西武池袋線の池袋行きに乗っていた。
『西武池袋線と東京メトロ副都心線がつながったから、
池袋での乗り換えはすぐだろう』
甘かった。 (原液のカルピスばりに)
西武池袋線とメトロ副都心線、すんごく遠い(笑)
(わんぱくでも良い。たくましく育ってほしい。 …違った。
伝わらなくても良い。想像たくましくしてほしい。)
どうも、西武池袋線→メトロ副都心線ではなくて、
西武池袋線→西武有楽町線→メトロ副都心線ってつながっていたらしい。
しかも、池袋じゃなくて別の駅で乗り換えるのが正解らしい(笑)
(要は繋がっていたのは枝分かれしたもう一方だったてこと!)
知らんかった。そんなこと。
だから池袋の迷宮をしばし歩くハメになった
それにしても、日本って迷宮がたくさんある。
新宿駅の地下も迷宮。
無知のまま入り込んだら、なかなか目的の場所までたどり着けない。
調査(※1)によると、新宿駅の迷宮では
年間約50人の人が脱出が不可能な状態になり、救助隊に救助され、
年間約10人の人が行方不明になり、
年間約5人の人が脱出をあきらめ、ここに住み着くそうだ。
(※1:あさって調査カンパニー調べ。間違いなく大ウソ。)
そして、大阪駅の地下でも出口が分からなくなった男がここにいる(笑)
駅の地下に限らず、日本には迷宮や迷路が数多く存在する。
このままではいけない。
日本よ、目を覚ましてくれ。このままではダメなんだ!
ここでわめいても仕方ないのは分かっている。
でも、どうしても分かってほしいんだ。
そのためにまず、昔話をさせてくれ。
あれは確か、遠い遠い はるか昔…
確か一年前の事だった。
(三ヶ月より前は遥か彼方。
今、そう決めた。)
暑い盛りの夏
場所は都内の某所。
私は歩いていた。
そのときの真の目的は忘れたけれど、
目先の目的は『どっかに入って涼みたい』だった。
すると、一人の女性に声をかけられた。
(※残念ながら?
声をかけたのは団体さんのうちの一人だ。)
女性「エクスキューズ ミー! Can you speak English!?」
外国の方だ。
もー、英語がカッコイイ
いや、外人コンプレックスとかではなく、
その女性の英語の発音がかっこいい。
厳格なるイントネーション。
私は一瞬で分かった。
『この女性、ドイツ人だ!』
(じゃなかったら、軍人だ! …どっちやねん!?)
私の頭の中に、どうにかこうにか英語が浮かぶ
"I can't speak English at all." (あたしゃ、英語がまったく喋れませ~ん!)
私 「I can't speak English a…」
女性「OK. I want to go to~」
見事な "at all" 封じ。
たぶん彼女の中では、「I can speak English」ってなってる(笑)
そのとき学んだ。
今度答えるときはこうしよう。
"a little..." (ほんの少し。)
そんな私の悟りにはお構いなしに女性は続ける。
女性「I want to go to this park!」
そういって彼女が持っている地図を指す。
私 「シンジュク…ギョエン?」
女性「ザッツ、ライト!」(※英語書くのがめんどくさくなってきた)
ここは新宿駅からみると別の方面。
なるほど、駅から逆方向に歩いてきちゃったわけね
(しまった、冒頭で都内某所って書いた意味が無いじゃねぇか!)
とりあえず、
手持ちの英語力(あるのか?)と、
手持ちのジェスチャーと、
(その女性の)手持ちの地図でなんとか伝える事にした。
私 「Here is …」(女性の地図で場所を指す)
女性「Oh!」
私 「The road is …」(女性の地図で道を指す)
女性「I see.」
私 「The road …」(右を指差す)
女性「Right?」
(※恥ずかしながら、rightがとっさに出なかった(笑))
私 「Yes, right.」
(ところでこの言葉は二重に掛かっているのか? ま、どっちでもいいや。)
女性「Thank you!」
とまぁ、そんなこんなで道を教える事ができた(っぽい)。
そうだよな。迷いやすいよな、この東京砂漠。
あなたがいても、うつむかないでも、
歩いてける(気がしない)、この東京砂漠♪
東京が迷路か砂漠かは白熱の議論となるので、ここでは割愛して、
観光立国になるためには、ともかく道がわかりやすくなくてはダメだ。
いきなり建物を壊して道を整備するのは難しい
ならばせめて、もっと道しるべや案内図、地図を
目立つ場所に適切に配置しなくてはならないのだ!
(案内図があるところもあるけど、もう少し気遣いを!)
観光客に優しい道、
観光客に優しい街、
観光客に優しい迷宮を目指して。
(ついでに観光客に優しい住民も目指して)
皆さん。
これから一歩一歩、あゆんでいこうじゃあ~りませんか。
私の話はここまで。
聞いてもらってありがとう。
では話が済んだので、
そろそろ旅を再開するとしよう。
…おろろ、これはどっちに行くべきか。
え? 迷ったのかって!?
ちがう。私が道に迷ったんじゃない。
この街が私を漂わせているだけさ(?)