前回の「SS(ショートストラングル)の仕掛けを考える その3」にも多くの反響をいただいたので続きを書きます。拍手やコメントありがとうございます。最初、拍手が少なく、やっちまったか!?と思いましたがいまは安心(笑)今回は、最近のある重要イベントに着目した仕掛けと返済の実例を紹介します。着目イベント日本時間6/20未明のFOMC政策金利発表、バーナンキFRB議長記者会見イベント前の概況5月にバーナンキ議長がアメリカの量的緩和縮小を示唆して以来、マーケットが大荒れ継続。「同議長が会見でマーケットにフレンドリーなコメントを打ち出す」との期待感が浮上。内容次第でマーケットがさらに大きく動きかねない不透明感があった。見立て会見内容次第だが、アメリカ株式市場や為替市場が激震に見舞われない限り、警戒感で買われていたオプションがいったんは不要となり、朝方からボラティリティが一気に低下していく展開になる。ただしその後は先物や為替の動向次第オプションのボラティリティ概況同イベント前日の6/19は基準IVが34.95%、前日比+0.88%とそこそこ上昇。とくにプットオプションが上昇し、急落への警戒感があったよう。準備前日にイベントを控えたボラティリティ上昇を想定。ベガショートはいっさい建てず、日中のボラティリティ上昇を確認しノーポジションでイベント通過当日を迎えた。(もし前日に盛らないようだったら取りやめたかも)イベント結果バーナンキ議長が会見で年内の緩和縮小を示唆。ネガティブサプライズ。NYダウ平均が206ドル安の一方、ドル円は前日大引け比で1円以上円安。CME清算値は日中大引け比100円安の13160円。判断バーナンキ議長の強硬姿勢はネガティブだが、事前の警戒感の大きさから考えると、CME清算値の100円安はむしろイベント無事通過ととらえてよいのでは。よってオプションのボラティリティはおそらく寄付きから低下、ただし225先物の値幅しだいではあっさり盛り返す可能性もあるため早目の撤収が必須仕掛け寄付きでSS(ショートストラングル)を仕掛け。約定内容の画像(右端の数字が約定価格)決済想定通り、コールオプション、プットオプションが寄付きから一気に売られボラティリティ全面安。いったん利益のピーク到来と判断しコールオプション、プットオプションともすべて買い戻して終了。どちらも売建値よりも安い金額で返済。この間5分間。(参考)当日の225先物の動き(青線グラフ)と基準IV5分足チャートの画像余談先物は9時半ごろにかけて急速に売り込まれ13000円割れ。ボラティリティも序盤の下げ分を取り戻し、仮に返済していなかったら損益はプラスどころかマイナスに転落していた。なおその後の動きは追いかけていない。「タラレバ」だし、剥げると読むなら買い戻したあとにまた売りなおせばよいだけの話なので。振り返り6/20寄付き時点の基準IVは34%強と、前日にくらべて1%程度の下落。このボラティリティ低下を前日から取りに行くやりかたもあると思いますが、バーナンキ議長の発言次第でどうなるかわからなかったことを考えれば、そこでリスクはとるべきでなく、寄り付いてからのボラティリティ低下を取れれば十分と考えます。また、IV5分足をみるとわかるように、イベント通過で寄付きから一気に売られる展開でも、売られ過ぎの反動なのか、ある程度のところでピークを付けて盛り返すパターンが多い印象を持っています。まあ、チャートでは午後に掛けて緩んでいるので、そこで逃げればよいと言われればそれまでですが。今回のSS、仕掛けから返済まで、225先物の値幅は上下80円くらい。ポジション保有期間を5分間と短くしたことで、ガンマショートによる原資産変動リスクは、皆無とはいいませんが、だいぶ小さくできたのでは。私が「やっぱりSSはボラティリティだと思う」というのは、こういう経験を通じたものです。ボラティリティがうまく落ちる場面をとらえれば、5分でもSSで利益がしっかりでることがあります。逆に言えば、何日も日経平均の変動にこわごわしながら耐えても、そんなに取れないどころか大やられすることもあります。今回の記事、事前の想定からけっこう詳しく書きました。イベント通過による盛り剥げは比較的似たような動きをたどることが多く、応用が利くのでは、と思うからです。くれぐれも「りんたん自慢おつ」とかやめてね(笑)SSを建てるなら1.オプションのボラティリティが上昇していること2.出来るだけ短期間のうちにボラティリティが低下すること3.(できれば)建ててからあまり値幅が出ないことイベント通過をにらんでさっと入ってさっと返済するやり方は、これらの条件を満たせるケースが多いと思うんですよね。もちろんそのときの状況、イベントの重要度・不透明感によって動きは異なると思いますが、チェックポイントを明確にしておけば、事前準備、仕掛け、返済と、わりと対応はしやすい気がします。例によって、反響が多ければ続き(たぶん、まとめ)を書きます。