最新号の証券アナリストジャーナル(VOL.51 JUL.2013)に嶋中雄二氏の「アベノミクスと日本経済」というタイトルの論文が掲載された。この論文はフリードマンの現代貨幣数量説(マネタリズム)を基礎として論じていおり、アベノミクスは理論的にも現実的にも効果があり、2年で2%のインフレ率へ日本経済を持っていくことは十分可能だと説いている。また、嶋中氏は、1951年4-6月期以降60年以上にわたり「拡張優勢記」と「拡張劣勢期」がちょうど4.75年ずつ交互に出現して計9.5年周期で反復を繰り返していると説いている。そして、13年1-3月期から17年7-9月期までは拡張優勢期になる蓋然性が高いと主張している。したがって、アベノミクスの導入とともに浮上し始めた景気拡大局面は、短期の在庫循環の上昇局面だけでなく、中期の設備投資循環の上昇局面とも重なっており、通常よりも力強く、長く持続しやすい時期に当たっている。もし、このシナリオ通りに日本経済が回復すれば、安部首相はとても幸運な人となる。