今日の株式市場の後場の急落の切っ掛けとなったのは、アベノミクスの第3の矢に対する失望と報じられている。
ついつい忘れがちだが、相場の基本として言われているのは期待値を超えなければ、売り材料となるということだ。
既に市場参加者が皆知っていることについては、新聞に挟みこまれる広告ではないが、折込済みなのだ。
黒田日銀の最初の発表が相場を大きく押し上げたのは、既に織り込み済みだった期待値を大きく超える内容であったからこそ、相場は驚いて急上昇したのである。
このときも直前に囁かれていたのは、折込済みで新鮮さがないとして売り材料になる恐れがあるのではないかということであった。
今回はその黒田日銀を誕生させた安倍首相が講演を行って発表するくらいだから…ということで、期待値が大きく織り込まれていたのだろう。
それなのに、先日来の相場下落を心配してか、これまでに少しずつ情報を小出しにしてしまっていたことで、内容の多くが折込済みとなってしまっていたことも今回の講演に新たな材料となるものを無くす結果になったのだろう。
やはり、刺身の材料となる魚やサラダの材料となる野菜、相場を上昇させる材料となる経済政策は新鮮さが必要なのだ。
このことを忘れたつけとしか言いようがない。
しかし、ここまで暴落するほどの材料になるとは…さすがに予想外でした。
折込済みを要因とするイベント通貨の売りの怖さを改めて感じさせられる1日でしたね。