それは今を去ることちょうど20年前、結婚を控えていた拙者は、資金難でござりました。(これは人生終始一貫…)
このままでは結婚資金がままならない。そこで目をつけたのが、当時働いていた会社の持株。その会社は半導体関係で浮き沈みが激しく、株価も当時一斉を風靡したゲームソフト向け半導体がひと段落したあとで低迷していた頃。拙者は会社の総務に単元株に至るまでの買い増しを申請致しました。
時はまさにバブルの真っ只中(当時の人間は誰もそれを「バブル」とは認識してなかった。)、拙者の株はあっというまに@1300⇒@2000近辺まで上がって行きました。
「おおっ、もしや拙者は機を見るに敏な株の天才だったのか。よし、明日@2000をつけたら売ろう」
拙者の判断はそこまでは正しかったのでござりまする。
ところが翌日から株価は軟調。拙者の悲劇は、その日に「成り行き売り」注文をしなかったこと。当時はネット証券なんてあるわけなく、素人には敷居の高い証券会社の窓口に行ってお姉さんに注文をしなければならない。仕事も忙しく、なかなか窓口に行く時間もない。
その日以降、株価は@1800~1900を行ったり来たり。今にして思えば、そこが最後の売り時。これを逃すとあとは坂道を転げ落ちるように株価は急落。@1500を割り込むと、もうどうしていいかわからない。
(戻す。きっと戻すでござろう…)
拙者の切なる願いなど相場には届くわけなく、あとはまたズルズル…結局買値近くの@1300台で泣く泣く売却。
この苦い体験に懲りた拙者は、それ以来、(株はもうすまい)と心に誓い、その後17年間、株には手を出さなかったのでござりまする。