「行かなくちゃ船が出る」 亡くなる2日前「怪優」最後のセリフ

arama-さん







 昭和の「怪優」といわれた日本映画黄金期最後のスター、三国連太郎さんが十四日、亡くなり、映画界に衝撃が広がった。 



 小林正樹監督の「切腹」などで共演した俳優の仲代達矢さんは、「当時は随分演技論をたたかわせました」と振り返る。「三国さんは演技にしても生き方にしても個性が強く、演じるということを突き詰めてこられた。とても尊敬する方でした。日本映画にとって大事な俳優がまた一人亡くなられた。残念で仕方ありません」



 映画評論家の品田雄吉さんは「出演作を重ねていくうち円熟味を増し、味のある演技を見せるようになった。三国さんの場合、その円熟味が人間としての円熟と重なっていた。戦後の日本映画を代表する貴重な名優だった」と残念がる。



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 妻の友子さんによると、三国さんは亡くなる前日の十三日夜まで食事も十分にとり、元気だった。その後、深夜から朝方にかけ二度嘔吐(おうと)し、体温と血圧が低下。友子さんが病院まで駆けつけた直後に息を引き取った。亡くなる二日前、ふいに「港行かなくちゃ。船が出てしまう」と口走ったという。

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