週末11日のNYは、12325.42(‐256.56)の大幅安。GEの決算が悪かったので改めて景気後退懸念が広がったということのようだ。G7で公的資金の投入といった話がでるのではという期待も一部にあったようだが、どうもそんな気配はちっともなく、ガセに終わったようだ。投資家としては、裏づけのない推測を無責任にふりまく評論は、ふりまわされるだけなので、やめていただきたいと思うのだが・・・。結局NYダウの日足は転換線、雲の下限をつきやぶって下落。日足基準線が12232、週足転換線が12244で、ここを守れるかどうかがポイントだが、MACDはシグナルをきって下降をはじめており、RCIも天井をつけて急速に下降中なので、見通しは厳しい。週足のトレンドラインを引くとペネント型のフラッグになって煮詰まっており、どちらに離れるか、ちょうど金融機関の決算がではじめる来週の動きが注目である。どうなるか予測が難しいが、週足の基準線も下向き、月足でも基準線をしたまわり長い上髭になっており、月足MACDもRCIもまだ下降中なので、下押ししても不思議ではない。ただつき足は二本のした髭がすでにでており、RCIも底値に近くなっており、11731あたりで底はかなり固まっているような気がするので、このへんでとまってくれればいいのだが。もちろんもしも「戦後最大の金融危機」というものがまだ顕在化するのであれば、さらに底を割れる可能性も皆無とはいえないであろうが。
為替は、NYの大きな下げにもかかわらず、101円近辺の動き。だが、結局週足の転換線102.06円で完全に頭を抑えられている形になっていて、これを抜けるエネルギーがみられない。週足レベルでは転換線もこえられず、ちゃんとしたリバウンドにもならないような水準であり、日足のRCIは天井を打って下降、MACDも頭をうち始めており、ドル高円安の戻りはこのへんで限度ではないかと思われる。為替でみるかぎり、なにかよほどアメリカの経済改善の好材料でもでないかぎり、ドル高にはいきそうもない気配だ。ただつき足のRCIは完全に底でしりもちをついているので、前の安値95円をきるようなドル安に動く力も乏しそうである。現在いわれているアメリカの経済悪化は一応織り込んだのかもしれない。
日経平均は11日予想外に大きく上げて13323になったが、どうもG7での公的資金投入の期待であげたようだ。その後のダウの動きから見ると期待はずれのようで、ぬか喜びということで、週明けにはどっと失望売りがでるのではないか、と懸念される。だがどっとあげたとはいっても実は直近高値13485には届かず、雲の下限13494にも届いていないし、RCIは下降を始めており、日足転換線13003を守れるかどうか、かなり苦しいのではないかと思われる。もっとも週足転換線は12898でかなり距離があるし、月足はすでに雲の中でうろうろしており、月足のRCIは底をつけている。NYより一足先に低い水準まで下げているので、目先さげても、このへんで下値を固めることを期待したいところである。
総じて、金融機関の決算とその前後の政策当局の対応から、「戦後最大の金融危機」の出口がきちんとみえてくるかどうかが当面の鍵であることは衆目の一致するところだろう。