
全国のガソリンスタンド(給油所)のうち二千カ所程度が二〇一二年度中にも閉鎖される可能性があることが二日分かった。業界団体の全国石油商業組合連合会(全石連)が試算した。
改正消防法で義務付けられた古いタンクの改修・交換期限が一月末に到来し、改修費が重荷となっているため。ガソリンの需要減もあり、全石連は零細業者を中心に廃業が相次ぐとみている。
一一年度の閉鎖は約千カ所だったが、一二年度は倍増する計算で、近隣でマイカーに給油できない「ガソリン難民」が増加する恐れもある。
改修対象は、設置から四十年以上経過した給油所の地下タンクなど。二月以降、事業者が対応しなければタンクの使用許可が取り消される場合もある。総務省消防庁は「事業者は地元の消防署に改修計画を提出してほしい」と呼び掛けている。
全石連によると、改修対象となる給油所は約七千カ所で、うち五千カ所は国の改修費の補助制度を既に利用。残り二千カ所は近いうちに閉鎖される可能性がある。
エコカーの普及や若者の車離れなどによりガソリン需要は減少。経済産業省資源エネルギー庁によると、全国の給油所数は一九九四年度末の約六万カ所から、一一年度末は約三万八千カ所まで四割程度減った。全石連の担当者は「給油所の経営は近年、苦しい状況が続いており、二千カ所の閉鎖も(業界的には)驚くような規模ではない」と指摘している。