独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は13日、次世代エネルギー資源として有望なメタンハイドレートの埋まる海底からメタンガスを取り出す試験作業を始めた。
12日に静岡市の清水港に到着した地球深部探査船「ちきゅう」を13日からチャーターした。近く試験場所の愛知県渥美半島沖に向かい、2月ごろに実際にガス産出を試みる。
メタンハイドレートの産出試験はこれまで陸上での事例はあるが、海洋では世界初。JOGMECに事業を委託した経済産業省は、将来的には商業化し、国内に安定供給したい考え。
ちきゅうは深海域で地底を深く掘削する設備を持つ。全長は新幹線約8両分に当たる210メートル、船底からの高さは30階建てのビルに相当する130メートル。清水港では試験機材を積み、天候などを見極めて出発する。
試験場所では昨年、事前掘削を実施し、ガスを取り出す井戸を掘った。今回は3月末までに一連の工程を終える。
メタンハイドレートは「燃える氷」とも呼ばれ、日本近海に広く分布しているとみられる。しかし多くは深海の地層深くにあり、産出には高い技術と膨大な費用が必要となる。