東京－長野に格安バス 来年度から県モデル事業

[arama-さん]

　長野県は２０１３年度から、中国人観光客向けに首都圏と長野を結ぶ格安バスを運行し、県内の観光地を巡ってもらうモデル事業を始める。国際観光推進室が新年度当初予算案に千九百万円の関連予算を要求した。

　ＪＴＢ中部（名古屋市）と協力して取り組む予定で、県が三年間、費用を負担する。中国人観光客が訪れる宿泊施設や大型ショッピングモールなどから協賛金や手数料を得る仕組みをつくり、四年目からは、県の負担なしでも運行を続けられる事業モデルを確立するのが目標だ。

　日本に五泊ほど滞在する個人観光客を想定し、うち二泊は県内で宿泊してもらうようにパッケージツアーを設定。冬はスキー場、夏は軽井沢、上高地などの避暑地といったように季節に合わせて目的地を変える。

　県によると、中国人の国内ツアーは中国人業者が提携する一部の店にしか客を誘導しない仕組みで、受け入れる宿泊地が潤わない構造になっているという。このため、新たなツアーを企画し、中国人観光客に県内で消費してもらうようにする狙いがある。

　来年度からの事業化に先駆けて、中国が旧正月を迎える二月に実験的に東京－長野間を約千二百円の運賃で運行する。県国際観光推進室の担当者は「中国人観光客は旅行先でたくさん買い物をする。県内で一度に四、五万円は消費してくれるようになれば」と期待している。