政府は28日、子宮頸がん、インフルエンザ菌b型(ヒブ)、小児用肺炎球菌の3ワクチン接種について、大半の人が来年3月まで無料で受けられる現行の時限的措置を2013年度から恒久化する方針を固めた。予防接種法を改正し、希望者全員への接種を市町村に義務付け、原則無料となっている「定期接種」の対象に含める。これに伴い現在の国の負担分も市町村負担となるため、年少扶養控除廃止による地方増収分を財源に充てる。
政府は予防接種法改正案を来年の通常国会に提出する。3種類のワクチンが日本脳炎、はしか・風疹と同じ原則無料の定期接種になれば、国民の安心感が高まりそうだ。
子宮頸がんなどのワクチンは現在、定期接種ではなく自己負担が原則だが、予防のため国と市町村は10年11月から公費で助成。費用の1割を自己負担で賄う仕組みだが、約9割の市町村が自己負担分も助成しており、特定の年齢層の多くは既に無料で受けられる。
現在の国と市町村の負担はほぼ半分ずつ。国は12年度分として526億円の交付金を市町村に配分するが、13年度からは廃止。代わりの財源に住民税の年少扶養控除廃止で増える地方税収886億円のうち522億円を充ててもらう。
妊娠に伴う病気や流産を防ぐための妊婦健診14回分の公費助成も13年度から恒久化し、地方増収分の残り364億円を財源に充てる。