さいたま市南区のJR武蔵浦和駅前の再開発事業で、高層マンションの建設予定地(約二・六ヘクタール)の土壌からヒ素や鉛、アスベストを含む廃材などが見つかった。事業主体の武蔵浦和駅第3街区市街地再開発組合は「ただちに周辺住民に健康被害が出るレベルではない」といい、適切な処理方法などを検討している。
組合などによると、駐車場やフットサルコートだった土地で、二〇一四年十一月ごろまでに地上三十二階、地下一階のマンションに住宅や店舗などが入る計画。今年一月に建物の撤去に着手したが、五月ごろ地中から基礎などに使われていた廃材が出てきた。
組合が土壌を調査したところ、基準値を超えるヒ素や鉛が検出された。地中からはアスベストを含む廃材も見つかったが、大気中のアスベスト濃度は基準値未満だった。
組合の榎本修事務局長は「ヒ素や鉛は自然由来のものとみられる。住民の健康に影響はないと考えられるが、法令にのっとり適切に処理したい」と話している。現在、処理業者を選定中といい、完成予定は八~十カ月ほど遅れる見込み。
市によると、再開発事業には国や市がすでに約十二億円の補助金を支出している。