iPS細胞を使って作られた薄膜状の心筋細胞のシート(門田真・京都大大学院生提供)

ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った薄膜状の心筋細胞のシートに、心拍が乱れる不整脈の症状を起こすことに京都大の中辻憲夫教授らのチームが成功し、30日付の欧州心臓病学会誌に発表した。
抗不整脈薬を投与すると症状が抑えられた。チームは、さまざまな組織や臓器の細胞になる能力があるiPS細胞を利用し、心筋シートで不整脈の症状や改善状況を体外で再現したのは初めてとしている。
不整脈のメカニズム解明や新薬開発のほか、iPS細胞から作った心筋細胞を心臓病患者に移植する治療で不整脈が起きないようにするのにも役立ちそうだ。