知人女性に「殺す」とメールを送ったなどとして、脅迫と公務員職権乱用の罪に問われた愛知県警捜査四課の元巡査部長吉田政志被告(42)=依願退職、愛知県大治町=の論告求刑公判が30日、名古屋地裁であり、検察側は「愛情を憎悪に反転させ、脅迫した犯行は執拗(しつよう)で悪質。市民の安全を守るべき警察の信頼を揺るがした」として、懲役2年6月を求刑した。
起訴状などによると、被告は4月から8月にかけ、48回にわたり、不倫相手の女性の携帯電話に「おまえだけは殺す」「絶対に殺す」などのメールを送ったとされる。さらに、昨年11月から今年3月までに3回、県警情報管理課照会センターの警察官らに犯罪経歴などを照会させ、女性の知人男性の個人情報を不正に取得したとされる。
吉田被告は「当時は彼女を愛するあまりのめり込み、盲目になっていた。危害を加えるつもりは全くなかった」などと証言。弁護側は「親密な交際の中で行われた行為。深く反省し、社会的制裁も受けている」として執行猶予を求めた。