【テクニカル指標の分類】システムトレードで頻繁に使用するテクニカル指標はトレンド(trend)系指標とオシレーター(Oscillator)系指標に大別できる。トレンド系指標とは、トレンド追従型指標とも呼ばれ、相場の方向性(トレンド)を見るための指標。代表的なものは、移動平均線、移動平均線乖離率、ボリンジャーバンド、エンベロープ、パラボリック、… 等。オシレーター系指標とは、値幅分析を行うもので、振り子のようにある一定の範囲で推移し、相場の強弱を見るための指標。代表的なものは、RSI、RCI、MACD、ストキャスティクス、サイコロジカルライン、… 等。システムトレードでは、売買のエントリーやイグジットのタイミングを一定にするために、テクニカル指標を用いることが一般的。売買方法を一定にすることにより、トレード結果をトレードルールにフィードバックし、期待値や勝率を改善することが可能となる。以下に、トレンド系指標及びオシレーター系指の代表例を説明する。■トレンド系指標(1)移動平均線移動平均は主に、時系列データを平滑化する手法で、単純移動平均、加重移動平均、指数平滑移動平均の3種類に大別できる。普通、移動平均といえば単純移動平均を指す。単純移動平均 (Simple Moving Average; SMA) は、直近n 個のデータの重み付けのない単純平均。株価n日移動平均線は、過去n日間(立合日ベース)の終値の平均値を表す。一般的に株価チャートには長期と短期の2種類の移動平均線が表示される。長期移動平均線は、週足では26週線、日足では25日線を示し、短期移動平均線は、週足では13週線、日足では5日線を示す。 株価移動平均線乖離率は、株価移動平均線と現在の株価の乖離割合を数値化したもの。日足チャートであれば、25日移動平均線、週足チャートであれば26週移動平均線を用いて乖離率を算出することが一般的。一般的に、流動性のある銘柄の移動平均線乖離率が±5%以上になると相場が目先調整局面を迎え、±10%以上になると天井になるという相場の経験則がある。(2)ボリンジャーバンド(Bollinger Band)考案者はジョン・A・ボリンジャー (John A. Bollinger)移動平均線とその標準偏差(±1σ、±2σ、±3σ)をチャートに重ねて描く。 統計学上、株価は移動平均線±1σ内に68.27%移動平均線±2σ内に95.45%移動平均値±3σ内に99.73%の確率で分布し、おおむね±2σ以内に収まる確立が極めて高い。ボリンジャーバンドの一般的な活用方法として「逆張り」では、-2σラインや-3σラインに株価が接近、あるいは割り込んだ時に「売られ過ぎ」と判断して買いポジションを取る。+2σラインや+3σラインに株価が接近、あるいは突破した時に「買われ過ぎ」と判断して売りポジションを取る。方法がある。「順張り」では、-2σラインや-3σラインを株価がブレイクしたタイミングで売りポジションを取る。+2σラインや+3σラインを株価がブレイクしたタイミングで買いポジションを取る。方法がある。■オシレーター系指標(1)RSI(Relative Strength Index)相対力指数RSIはアメリカのテクニカル・アナリストJ.W.ワイルダーによって開発されたテクニカル指標で個別銘柄の買われ過ぎや売られ過ぎを表す。一般的な計算式は、RSI=(一定期間の値上げ幅の合計)÷(一定期間の値上げ幅の合計 + 一定期間の値下げ幅の合計)×100 一定期間は14日間が一般的。14日間連続上昇の場合100%、14日間連続続落の場合0%。0%から100%の範囲で推移し、70(80)%以上は買われ過ぎ、30(20)%以下は売られ過ぎの水準と判断されることが多い。上記( )の値は相場環境に依存する。(2)ストキャスティクス(Stochastic oscillator)米国のチャート分析家ジョージ・レーン(George Lane)によって1950年代に考案されたテクニカル指標。逆張りの投資手法において、よく用いられる指標である。過去における高値、安値に対して、当日終値がどのような位置にあるのかを数値化したもので、%K=短期線、%D=中期線、Slow%D=長期線の3本の線を使って売買サインを探る。基本的に、20~30以下が売られ過ぎ、70~80以上が買われ過ぎと判断する。変化に対する敏感さは、%K > %D > Slow%D の順。%Kと%Dの組み合わせは、ファースト・ストキャスティクス (Fast stochastics)%DとSlow%Dの組み合わせは、スロー・ストキャスティクス (Slow stochastics)%K={(C-L9)÷(H9-L9)}×100%C:当日終値L9:過去x日間の最安値。(xとしては、14, 9, 5 などが使用されることが多い。)H9:過去x日間の最高値%D=(H3÷L3)×100%H3:(C-L9)のy日間合計。(C-L9)の単純移動平均。yとしては3が使われることが多い。L3:(H9-L9)のy日間合計。(H9-L9)の単純移動平均。Slow%D=%Dのz日の単純移動平均。zとしては、3が使われることが多い。上記は日足での説明であるが、分足など他のタイムスケールでも同じ計算式である。高値・安値の組み合わせではなく、終値のみを使用する方法もある。また、Slow%Dの計算方法として、単純以外の移動平均を使用する場合もある。テクニカル指標は何を使うかはあまり重要ではない。トレードにおいて大切なことは、テクニカル指標を用いて売買のエントリーやイグジットのタイミングを一定にし、トレード結果をトレードルールにフィードバックすることで期待値や勝率を改善すること。