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★ファンドマネジャーの講演・討論会2(ミクロとマクロの混同)

 昨日のファンドマネジャーのお話・討論会はベンチャー投資、ベンチャー育成がメインテーマ。

 講演の中身自体はかなり面白かったです。

 

 曰く、、、

 ・ リーマンショック後のTOPIXコアに代表される大企業の株価は落ちているが、東証二部の株価はむしろ上がっている。

 ・ 日本の大企業は成長性が低いが、中小型の企業には成長性が高いモノが多い。 

 ・ 大企業だけ見ていると日本経済の混迷と思えるが、中小型の企業を見ると別の側面が見えてくる。

(しかし、大企業は日本経済のかなりのシェアを占めるので、大企業の混迷はやはり日本経済の混迷とイコールなのです。 中小型の企業だけでは日本経済は良くならない)

 

 ・ 大企業の低迷は、持ち合いや会長院政や合議制など企業統治に問題があるから。

 ・ 10人の優秀な人間の合議制よりも、一人の平凡な経営者の決断に委ねたほうが会社は成長する。意思決定のスピードは決定的である。

 

 ・ 会長院政はマトリューシカ現象を生む。 院政を敷きやすいように、自分より少しだけ能力が低い人間を後継者に選ぶので、後になるほど社長、会長の質が劣化していく。

(これはお役所にも当てはまります。 大企業問わず、幹部のチェックが効かない組織では共通して起こる問題。 お役所の場合は、加えて、話しの分かるヤツ=不正を継承出来る人間を選ぶので、利権=税金横領も後になるほど膨張していく。 株主や政治家・国民のチェックは非常に重要。 株主や政治家が正しくトップを選ぶことが非常に重要なのですが、実態は、株主も政治家も会社や役所のトップ任命に関与してない、、、ちなみに、ベンチャーや創業経営者、中小企業経営者は、大企業のサラリーマン経営者と違って、自分で全てやかなりのリスクを負っているので、市場が勝手にチェックしてくれる

 

 ・ 企業業績と株価は連動する。 業績と企業統治はリンクする。 企業成長にはマクロよりもミクロが決定的に重要であり、投資対象の選定にはミクロ分析が非常に重要。

 ・ ミクロ分析のほとんどは公開情報で行える。 公開情報だけで会社の内情はかなり分かる。 

 

 

 ・ 企業訪問ではまず、傘立てを見る。 何気ないところで社内の空気が分かる。

 ・ 投資でも就職でも企業成長こそが重要。 今の日本では、大企業就職は必ずしも将来を保証しない。

 

 ・ ベンチャーは成功率10%。 しかし、失敗しても、闇金・街金などアンダーグランドから借金してなければ何度でも再起出来る。 成功するまで諦めないことが成功のコツ。

 

 ・ マクロ(経済状況など)の責任にする人間は、起業では成功出来ない。 言い訳よりも前向きに考える人間が成功する。 社員の気分を前向きにしないと成功出来ない。

(これは或る意味、正しい。 ミクロのビジネスでは言い訳になるようなとこ、ネガ要因が多いとこは回避してモデルを組むのが、成功のポイントだからです。 つまり、よそと同じ土俵で勝負しないこと=新しい価値を提供すること、そしてそれを出来るだけ長く囲い込めるモデルを作ることが決定的に重要だからです。 しかし、国全体を相手にするマクロの国家経営ではそれは通用しない。 国家経営ではネガ要因放置は不可能であり、ネガ要因放置のまま政策対応をしても、非効率=税金の無駄使い=利権の発生、になるから。 典型的なのは社会主義的状況を放置したまま、税金投入している農家への戸別所得補償などがある。 民主党が始め、今も放置されてる超愚策。 政策や政治家を選ぶ場合、ポジ出し=ポジ要因だけを見るのは誤り) 

 

 ・ 会社経営で失敗しないためには、従業員を気分良く働かせること、資金ショートしないこと、、、この二つがポイント。

(これは投資リスクやミクロ分析の要点でもある。 従業員を『気分良く』『働かせる』、、どちらが欠けてもダメってことです。 その基本はどんな従業員よりも沢山働くこと。 休日も夜も働くことだそうです。 加えて報酬の公正化、見える化もポイントか?、、ノウハウの見える化ではないですよ )

 

 ・ ベンチャー企業を起こす人間は営業のプロか、技術(ノウハウ)のプロが多い。 しかし、売り込みや技術磨きなど顧客サービス、外部対応に突進し、内部対応(マネジメント)を疎かにするため、後ろから弾を撃たれて破綻する事例が意外と多い。

 ・ 弾を撃たれる事例は、内通、横領、セクハラ問題といろいろである。 部長が事務員5人中、三人の女の子と不倫していた仰天事例もありました。(おいおい(--; )

 ・ 社員も顧客の一部と考え、飲みニケーションも欠かさないことが、内部対応、察知の基本。

 

 ・ 起業するならモノは買うな、借りろ、もらえ、拾ってこい。 初期コストや運転資金を如何に減らすかが起業成功のポイント。 起業資金は自分で貯めるのが基本だが、借りざるを得ないならば、失敗し返せなくても裁判沙汰にならないとこに限定するのがベター(親、親戚、恩師、地位或る友人など)。  支払いは極力遅らせ、回収は極力早く(これは、資金ショート回避や実弾増大のための基本ですね^^;)

(以上はベンチャーへの投資、ミクロ分析のポイントだそうです、、、なるへそ(--; 実は当方の知人もミカン箱を机にして起業してました。 うちの甥に貸したお金は返ってくるのだろうか?)

 

 ・ 株主・投資家はベンチャーの犠牲者・踏み石になる覚悟が必要。

(だから、ベンチャー投資は自己資金が豊富でなければ出来ない)

 ・ 起業家はプライドを捨てよ。 プライドはコストである。 志は高く、腰は低く。

(これもベンチャー投資のチェックポイントだそうです )

 ・ 起業では想定しうる全てのトラブルが起きる。 想定外のトラブルも大体、起きる。

 

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 以上、覚えている点だけ書いたので、論理的でないように見えるとこもあるやも知れませんが、それは講演者の問題でなく、当方の脳みそRAMの問題です。

 

 このお話の後に、日本ではベンチャー育成を活性化させるために、政策はどうあるべきかを議論し合ったので、前の日記に書いたように笑える感想になったわけです。

 

 ネガ要因(社会主義的になってしまった土壌=昭和50年以降の変化)を変えないで、政策対応(保護や税金投入)しても無駄や利権を生むだけだ、というわけです。

 もっとも、ベンチャーネタで利権(税金横領)を作るとこに参加者の主眼があるのかも知れませんが、、(--; (孫正義とか、その典型かも)

 

 

 農業や医療の成長産業化、、という昨今の議論には要注意です。 この二つは日本で最も社会主義的で官僚統制が強い世界だから。

 

 結論: ミクロとマクロの経営戦略目標は基本、同じ。 如何に少ないコスト(税金)で多くの利益(国民益)を生むか、である。 しかし、ミクロには逃げ場があり、逃げることが成功の秘訣だが、マクロには逃げ場がない。 ネガ要因の解消・転換に向き合わざるを得ない。 で、ミクロの成功確率アップ(=企業の成長アップ=国民所得の向上)にはマクロが決定的に重要。 政治への無関心はやはり危険。

 

 

 

2件のコメントがあります
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    masa_takaさん
    2012/11/4 10:00
    おはようございます。おもしろい記事でした。
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    jojuさん
    2012/11/4 10:42

    つぎのも面白いかもです

    日本混迷の諸悪の根源はここにあると思うのです。

     

    官僚丸投げ政治が日本混迷の原因と過去日記で繰り返し書いてきましたが、その官僚を生みバックアップしてるのは大学ですから

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