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体内時計を人工的に作る仕組み解明 神戸の理研
生物の体の細胞で人工的に体内時計の働きをさせる「人工時計」を3種類の物質で作る仕組みを、理化学研究所生命システム研究センター(神戸市中央区)などのグループが解明し、18日付の米科学誌セルリポーツ電子版に発表した。人工時計でもともと備えている体内時計が修正できれば、その乱れが原因となる不眠症の治療などに役立つと期待される。
朝に目覚めて夜に眠くなるなどの周期的なリズムは、体内時計に合わせて細胞の働き方が変わるために起こる。細胞の働き方は主にタンパク質の性質の変化で決まる。
グループは細胞内に似た状況を作り出すため、タンパク質と、その性質を変化させる酵素(タンパク質の一種)、性質の変化をなくす別の酵素‐の計3種類の物質を使い、コンピューター上で模擬実験をした。酵素とタンパク質の結合力、性質が変化する速度などを変えて調べた結果、一定の時間内に、タンパク質の集団が一斉に同じ順序で性質の変化を繰り返す「人工時計」となる条件があることを突き止めた。
睡眠リズムに関係するタンパク質を標的とし、実験のように2種類の酵素を使えば、異常なリズムを修正できる可能性があるという。同センターの大出晃士特別研究員は「将来、異常な速さで細胞分裂を繰り返すがん細胞を、人工時計で治療することが可能になるかもしれない」と話す。
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