JR長野駅前など長野市中心部にクマ出没

[arama-さん]

　５日午前４時５０分時ごろ、長野市鶴賀問御所町で散歩をしていた男性から「クマが歩いている」と、長野中央署に通報があった。

　署や市消防局によると、クマは２頭でいずれも体長１メートル程度の子グマとみられ、ほかにもＪＲ長野駅ホームや、バスターミナル前など中心市街地で複数の目撃情報が寄せられた。

　子グマは午前７時ごろ、市街地西側を流れる裾花（すそばな）川の河川敷へ移動し、上流と下流方向に分かれて逃げた。午前１０時１０分ごろ、そこから約５００メートル下流の河川敷で草むらに隠れていた１頭を発見し、捕獲作業をしている。けが人は出ていない。

　署や市がもう１頭の捜索を続け、防災行政無線で周辺住民に注意を呼び掛けている。最初の目撃場所は、ＪＲ長野駅から北に約４００メートル離れた繁華街。

　長野市の茶臼山動物園でツキノワグマ飼育を担当する佐藤直也さん（２４）によると、ツキノワグマは裾花川上流の山間地で生息が確認されている。

　佐藤さんは「冬眠前に餌を集める時期だが、クリやドングリが豊富な山を出る必要はない。臆病な動物なので、土木工事などで人間が入り込んで縄張りを追われ、市街地へ迷い込んだ可能性もある」と話した