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アサヒビール西宮工場、22日閉鎖

 85年の歴史を持つアサヒビール西宮工場(兵庫県西宮市)が22日、閉鎖される。戦争や阪神・淡路大震災を乗り越えて、「スーパードライ」などを生産してきた西日本の拠点工場。事業再編のため、吹田工場(大阪府)へ機能を統合する。


 1927(昭和2)年、日本麦酒鉱泉・西宮工場として操業開始。その後、企業合併を経て大日本麦酒の工場となり、49年に企業分割で朝日麦酒(現アサヒビール)西宮工場となった。

 65年には世界で初めて屋外で発酵貯酒できるタンクを開発。安定品質で大量生産を可能にする「画期的な技術」で本場ドイツにも輸出した。

 発展の礎となったのが、87年の大ヒット商品「スーパードライ」。西宮工場では東京工場に続いて翌年生産を始めた。辛口ビールは大ブームとなり、シェアトップに躍り出る原動力となった。

 95年の大震災ではラインに被害を受けたが、醸造用の水を被災地に提供。工場も懸命の復旧作業で3週間後に再開した。

 2011年のアサヒビールのビール類シェアは37・9%で首位だが、国内市場が縮小する中、生産体制の再編を決断。西宮工場を閉鎖し、残る国内8工場の操業度を上げて対応する。西宮の従業員約110人は吹田工場などに移籍する。敷地内にある子会社のニッカウヰスキーの工場は生産を続ける。

     ◇

 西宮工場は兵庫の産業観光では有名な施設で、見学には年間約10万人が訪れる。最終日の17日には大勢のファンが詰めかけ、出来たてを飲んで名残を惜しんだ。

 撤退する工場の土地は約10ヘクタールあり、西宮市は一部を購入する方針。病院など公共施設の移転を検討しているという。

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